【風向】

怖色すらも潰された腕で未だ締め上げ吊り性(さが)る

柳の舌に 散々の風の噂 嬲られた挙句

引き抜かれる神経が畏れ識らずだと

死って閉まった現世在りて、ふらふらとみちを探している

皆も屹度そうなのだろう。

一様に前を向くと未来に逝ける暗転に里され微笑みて最期に迎う

為に流さる儘に己が善き選択を掬い獲る、ことに誰の差し金もなく、

全て垢と成り業と為り縁と擦(す)る

喰らえ。ならば糧となるか

憎くものも全て皿に乗せ流し篭め棄てる

楽に洛に、哀れにも無駄に迷う少しばかりの命

一つ一つ石を積み上げるだけ 支えてくれれば生き永らえるか

彼方は手入れをしてくれるんか そこには何もありゃしない

腐臭漂う堕ちた躰 誰が見つけてくれようか

石の隙間から覗く雑草の力強さよ 思いなど幾度祖の非にくれようと

お天道様はお変わりなく ゆくもの也

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