【助け舟】

空にちるゆめを


解放されるか 私は

カイに成りたかった逆巻の渦の中、

救いを求めた蝶

必死に海の藻屑と戯れ


聞こえないよ。


癒しの漣が深心 撫で うたう様に

あやす夜に

秘があれば或いはないのだ


狂も平穏に過ぎゆく

一般的蛇行には上澄みも救えない

濁っているのは死海

懐かしい夢を見たくない


なにもかもみせないで

おおってください

不思議も不可視も総て遊戯

入(ゐ)らないから。

このしこうだけをけしてください


しれつになぞらえて

からめとられた

あかいとはつつと

私と彼方を繋いだ


舌先で震える。


引き抜いて、

なにも騙れないから

おわりにしましょう


夢物語。おやすみなさい


蜘蛛の糸に救いを求める

天に伸びる心地、

よく感じたら いけるだろうか。


どこにもない

此処だけが

深淵

ゆめをみつづけれる

今は

現に或ると いふ

あるようないような

まぶたをとじる

底はべつせかい

星海に堕ち

至高に跳べ

欠け抜けて沙羅に耽(ふけ)る


今日も寝息は残酷に

身に詰まり息を注ぐ

ふう賭して 潰れて仕舞う

軽くも想い風にみる

聖櫃に、降(くだ)らない


ときに委ねて 往く

辛うじて 幸を痴る

無事な後悔を。

未知ては弾いて

泪音葬送(なみだおとそうそう)

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