【斎海】

もしもこのかいなには泡沫うたかた砂漠の薔薇たちが

天から溢れて変えり来るなら

煩わしい膿だけが溜まり堪った生まれた海に

楽に洛に還れます


ほんの少しの虹色涙 

きゅ、と縛って絞り手拭いて何事も無く凪ぐのです

底は屹度清らかに入水しすべき此処に雪幸ゆきゆき

解けては消える雫となりて


縮緬ちりめんで創られし帰りいたら美しく

さざなみだけが朽ちうるさく

矢張り生は繰り返される 彼方の宵に出会えるでしょう


明い朱い鳶達が飄々と亘り語り出し 翳る光は時を打つ

夢で雪華だと渡しに騙る私のイロハ きずかれること


満ちては引いて描かれる いたくはないと想像を

深海の底は彩懐さいかい

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