【靄】

アルコールランプに身を映し

ゆらゆら陽炎とダンスする私

焔とどまる貧相な白いドレス

最期のいちまい

彼シャツに擁涸れて鋳る

影も形もない夏の蜃気楼

透明な涙の微炭酸は波立ち

緩やかに駆け昇り

滑稽な極彩珠はソラに爆ぜる

濃紺のラフに結露の跡が

窓ガラスに手形をべとり

はあ とする 吐息と

すう となる 嗚呼と

登れ昇れ

詰め込んだ落下点は匣の内側

線香花火彩る花弁は散ら歌詞

詠うイルミネーション走馬灯

バラバラほつれて露わな裸体

今直ぐ死んで、

過去になり

今、渡しに代わる。

欠き切れて崩れて魅せて

天と地は逆さまに転がり

代わり映えのない日々は

いくどもゐけども

新たに配される時代

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