【啄み】

今日こんにちの肥やし匕は輝きを嘔吐する

鉢に箔をつけ隅に寄せられた歪んだユウガオ

線の細い薄指はくし祈りを込め先伸ばすこと

光に対し限りなく広い空を掴めずとも


いき場を喪い隣の垣根に便乗し

大振りな花卉かきを逆さに張り付けた

微笑一凛である


四尺の若女将は彼岸花が似合う

儚げに強き息を切り盛りし粋を吐く

履くサンダルは形見狭しにぶかぶかで


のらりくらりわらいしに酔い

掴み盗られて宵に痴れる

大黒柱は家系に妬かれて死んだ


にこやかに微笑む風は丁度

透り掛かりの様子てい


不浄の添水そうず鳴り響き

私を一選に射抜いては離さない

眩しくも艶めかしい雫は昏い輝きで

古風な仕掛けに填まると


大変、嗚呼、ふらふらと

毒蛾に罹ったのは私もであるか

ですが、もう、おそいのだろう







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