泡沫 瑚蝶 @utakatakotyou

詞梳記(ことばとき)

第1話【雑葬】

虚ろ移ろいうつつ

うつり変わり代わり

河原にて確かに可視

あゝ 詞に したいと申す


搦坐ししたおつむは、

大層奇麗な野花  イロトリドリに摘んで抓んで

一式積まれたら、

「あったけえ  ナア」と。

咲いて朽ちたら仰山下らないコトば溢れて触れて

水からを詰めて包んでしまおう。


自然に還れる杜の柩に

自由を得る為に括られる。

なんて 自らを曳いて終えば こんなん

狂惜しくも啼いて薙いで 終う


樹海の真ん中で

勇気ある成れの果ての健闘を湛えます

底には新たな骸がひとつ。眠りについて、


その陽も雨も 海の水に 融けて 還り

持ってきたであろう硝子の部屋には子骨が一片

戦いでは弄ぶ草木に擽られて

ケタケタと皆でわらっておりました、故。

「わすれもの」

惑い鴉だけが其処に

ヒトがゐきていたことを 知っているのです。

【雑葬】

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る