0.6話 「コンビニ」

 雰囲気カッコ良いバーのカウンターにて、賢者(女性)と我は酒を注ぎ合っていた。

「なあ、勇者」

「ん? どうした賢者」

 賢者は我にもたれながら、「明日は何か予定はあるか?」と耳元で囁いてきおった。くすぐったくて、思わず叩いてしまいそうになる。

「あるな、すまぬ」

 まあ、本心を言えば面倒くさくなりそうだったからなのだが……。

「……そうか」

 賢者は今にも泣き出しそうな顔をして、酒のせいか分からんが、赤面しておる。

 そんな顔をするでない賢者よ。

「……コンビニでアイス奢ってやる」

 我は唐突に何を言っておるのだ!

「こ、コンビニ?」

 急に賢者がソワソワしだして、鯉のように口をパクパクしておる。

 どうした、賢者よ。

「わ、わかった……。けど、ビキニはまだ持って無いから……。こ、今度一緒に選んでくれよ……?」

 何を言っておる。賢者よ。

「賢者。お前はコンビニを何かと勘違いしておろう」

 我の言葉に賢者はピクッと反応し、自信が持っておる情報を確認するように「こ、今度ビキニで会おう。という意味ではないのか?」とかと、訳のわからぬことを言いよった。ので、我は言ってやった。


「お前のビキニ姿など見たくないわ」

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勇者は激怒した( ・∇・) 永久ノ(とわの) @towano

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