冒険記(仮)

@masa5813

第1話

坂本肇はじめは大卒4年目の都内の物流関係のサラリーマンだった。

勤務態度は良好で勿論、無遅刻無欠勤だ。

最近では珍しい残業も嫌な顔をしない、昭和生まれの上司からは気に入られ・同期の平成生まれには変なヤツと距離を置かれていた。


5年目の春。いよいよ部下を付けて小さなプロジェクトの1つでも任せてみようかと上司が思っていた矢先、坂本は通勤途中に事故に会い他界した。


坂本肇

享年26歳

小中高とサッカーを続け高校時代にはインターハイに出場。そのおかげで北海道の片田舎から都内の大学へ推薦入学。

都内の物流関係の会社に就職

勤務態度は良好の勤続5年目の春に交通事故で死亡。


都合たった6行で片付けられる人生


「はい、坂本肇さん起きて下さい。」


不意に呼ぶ声がする。俺は朝通勤途中に信号無視のトラックから小学生を庇って跳ねられて…。


「はい、死んでます。えぇ残念ですが死んでます。」


中々キツイ事を言うな。思いやりがない。


「まぁまぁ、そう言わずに。貴方は本来の寿命をかなり残して死んでます。しかも人を助けて。」


まぁあの子が助かって何よりだ。


「そう、そこです。あの子は将来、世界的に活躍する政治家になります。」


なら尚更良かった。無駄死にじゃなかったんだな。

ところでアンタは誰だ?真っ暗だから

何も見えないし声だけ聞こえる。


「あぁ、私は貴方達が考える神様の様な存在ですよ。そして寿命がたっぷり残ってる貴方に新しい時間をプレゼントしにきました。」


…死んでる人間にプレゼント?どうゆうこと?


「まぁまぁ、普通はそうなりますよね?

最近は異世界転生キターとか、やたら多いのですんなり行く人が増えてるから。久しぶりにスタンダードな質問で安心しました。」


あぁ、同期のヤツが休憩中に話してたアレか。

ずっとサッカーしかしてこなかったから、小説とか通ってこなかったからな。

それでも多少は分かる。それを俺にやれと?


「やるかどうかは自由ですよ。どうします?」


どうせ死んでるなら、その異世界とやらに行ってみるか。いわゆるRPGゲームの世界の様な所だろう?


「簡単に言うとそんなところです。モンスターもいるし、レベルも有るしスキルもある。違うのはクリアが無い所です。その世界で寿命が尽きるまで生きて下さい。勿論死んだらそこでお終いです。」


分かった。じゃその世界へ移してくれ。


「じゃ早速と言いたい所ですが、貴方は未来世界の大事な人を守ってくれました。生まれ変わる際にボーナスをあげます。」


貰えるなら貰っておいて損は無い。ありがたく貰う。


「物分かりが良くて助かります。あちらに着いたら確認して下さい。ステータスと心で念じると分かる様にしておきます。それではお元気で。」


そして坂本肇はまた気を失った。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る