第97話 口内のネネ

 ユリカ:ヤッホイ!久しぶりのユリカだよん♪え?遭難してたんじゃなかったのかって?そだよ〜、プチ遭難してたよ〜。それはそうと・・・


 魔界時間18:42 ???


 ユリカ:ネネちん、そこ何処?なんかネネちんの周り真っ暗なんだけど。


 ネネ:ああ、ここ?ここはね・・・


 宙に浮いた液晶モニターに映る莉音


 莉音:ネネ、1つ頼みたい事が・・・ん?周りが暗い様だが、寝てたのか?


 ネネ:いんや、それで何か用っすか?


 莉音:ザルダジア連邦の巨獣フロストジンベエの事は知ってるな?


 ネネ:この魔界宇宙を氷河期にしてる原因っしょ?知ってるよ。


 莉音:奴は今、自身の眷属けんぞくであるアイシクルコバンの群れを探して魔界宇宙を彷徨さまよっているんだ。寝坊した上にその所為せいで休眠期に入るのが遅れているらしい。


 ネネ:どうにかならんのかねぇ。


 莉音:奴が元の縄張りに戻って休眠期に入る様にするためには5グループ、全部で50匹のアイシクルコバンを見付ける必要がある。私とアリスの所で20匹保護した。そっちで目撃情報とかはないか?  


 ネネ:目撃情報っていうか、多分がそうかも。


 莉音:それはどういう意味だ?


 ネネ:雅姐さんに極寒の中放り出されてね、そん時バカでっかい小判状の吸盤を背中に持つ小判鮫こばんざめみたいな奴にパックンチョされてね。今そいつの口ん中に居るんよ。


 莉音:他に9匹くらい居なかったか?もしそれがそうなら常に10匹で行動してるからな。  


 ネネ:居たよ〜、アタシを丸呑みした奴はリーダー格みたいだったよ。


 莉音:そいつに間違いないな、捕獲してザルダジア連邦に送ってはもらえないか?


 ネネ:先ず出られない事には無理かも。


 莉音:方法ならある。アイシクルコバンはフロストジンベエの老廃物を食べるのだが、口の奥に消化出来るかどうかを判別する器官きかんがある。そこを少し刺激すると異物と判断して吐き出すらしい。


 ネネ:ほむほむ、それってどんな形してんの?


 莉音:ギャグ漫画とかに出てくるを逆さまにした様な形をしているらしい。


 ネネが何気に見上げると視線の先にそれらしきものがぶら下がっている


 ネネ:そのアレってもしかしてウ◯コだったりする?


 莉音:うむ、あったのか?


 ネネ:・・・うん、あったよ目の前に。でも、あんま触りたくない形だねこりゃ。 


 莉音:そこを刺激しないと一生出られないか、最悪消化されてそれこそ・・・なあ?


 ネネ:言いたい事は分かる、流石に消化されてウ◯コにはなりたくないからやるよ。


 判別器官を刺激するネネ


 コバン:むぐっ!・・・ぺっ!


 吐き出され雪に突っ込むネネ


 ネネ:ぶべっ!


 コバン:お前か?口の中で変な事したのは?


 ネネ:勝手にえさと間違えて飲み込んだアンタが悪いんだろうが!


 コバン:そりゃ、スマン事をした。


 ネネ:そう思うなら親玉の所帰んなよ、アンタ等探して魔界宇宙を彷徨ってるよ。


 コバン:それはイカンな。よし、お前達帰るぞ!


 ネネ:ちょい待ち!帰るなら・・・


 ビッグバンレオを召喚すふネネ


 ネネ:コイツの口ん中通って行った方が早い。


 コバン:そりゃ助かる♪


 ビッグバンレオの口からザルダジア連邦へ向かうアイシクルコバンの群れ


 ネネ:気を付けて帰れよ〜。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る