第17話サクラダイトを救出せよ!
ユリカ:国の四季を司る4体のユグドラシル系巨獣。もうすぐ夏が近付くのにワームホールに閉じ込められ休眠期に入れないサクラダイト。今回遂に救出作戦が始まるんだけどね〜、ネネちん前回のお仕置きがよっぽど堪えたのか放心状態・・・どうしよアレ。
魔界時間12:00 スプリンガル山脈 ワームホール発生地点
ユリカ:自分の眷属を助けるために自分が入ってしまったワームホール。巨獣を呑み込むほどだけあってデッケェなこりゃ。
リネフィ:ここですね。
ネネ:・・・・フフッ・・・フフフフ・・・・燃え尽きちまったぜ・・・真っ白にね。
リネフィ:・・・・・私、次元工学は全くの専門外なので分からないのですが、ワームホールのこういうケースは珍しいのですか?
ネネ:無視かい。
リネフィ:自業自得でしょ?それで、どうなんですか?
ネネ:まぁ、珍しいっちゃあ珍しいね。大きさもそうだけど、このスプリンガル山脈はどっちかっていうとワームホールが発生しにくい場所だからね。
リネフィ:と、いいますと?
ネネ:ここは時空エネルギーの流れが強めなんだよ。アタシ等のいるこの通常空間と次元空間、ホイでもって時空間この3つが年輪みたいになってるんだけど、時空エネルギーと次元エネルギーっていうのは時空エネルギーの方が強いから次元エネルギーは掻き消されちゃうんだよ。
リネフィ:じゃあこの時空エネルギーの流れが強いこの場所でワームホールが発生するのは極めて稀・・・というより有り得ない事ですね。
ネネ:ま、例外はあるよ。
リネフィ:え?
ネネ:時空エネルギーを遮るものがあればね。例えば何かが過去、もしくは未来からタイムトラベルしてくる時に時空の歪みが発生した時とかなら可能性はあるよ。
リネフィ:椿さん。その時時空の歪みは発生していましか?
椿:これが空間観測所から送られてきた観測データです。
観測データに目を通すリネフィ
リネフィ:あ!ワームホールが発生したこの日に時空の歪みが同時に発生してます!
ネネ:成る程、成る程。それであのサイズか。
椿:どういう事ですか?
ネネ:『次元エネルギー反発現象』だよ。時空エネルギーによって抑制されたその周囲の次元エネルギーが時空の歪みによって一時的に消滅したその反動でワームホールのサイズがこんなにデカくなったんだよ。
椿:そ、それで。救出方法は・・・
ネネ:原因が分かったら簡単だよ♪このワームホールのサイズの倍の範囲の時空エネルギーの流れを遮断すればいいのさ。
椿:私は次元工学をほんの少し勉強してたので分かるのですが、それではワームホールは次元エネルギーの再膨張によってブラックホールに変わるのでは?
ユリカ:ワームホールってね、台風に例えるとワームホールが台風の卵の熱帯低気圧
でブラックホールが台風に成長したワームホールってわけ。分かったかな?
ネネ:それは『この場所でやったら』の場合だよ。遮断するのはその真逆の場所、このスプリンガル山脈だと・・・
辺りを見回すネネ
ネネ:丁度最初に行ったあの権現桜の辺りだよ。そうすればこのワームホールの対になるワームホールが発生してそこに呑み込んだものを吐き出す出口になるんだよ♪
雅:魔界宇宙でお馴染みの空間転移システムの原理ですわね♪
ネネ:雅姐さん、大正解♪
椿:早速手配します!
ユリカ:フラワーレイド共和国軍の協力で権現桜の上に対のワームホールが発生してそこからサクラダイトが出てきたよ♪ほんじゃ、ここからは翻訳モードでいくよん♪
サクラダイト:お〜!ようやく出られたえ〜♪これでゆっくり寝れるえ〜♪
権現桜の地中に潜ろうとするサクラダイト
ネネ:ちょい待ち!
サクラダイト:何だえ〜?今すぐ寝ないと夏を司る『サマルカンド』が目覚めないえ〜。
ネネ:気持ちは分かるけど、聞きたい事あんのよ。
サクラダイト:何だえ〜?なるべく手短にしてほしいえ〜。
ネネ:すぐ終わるって。アンタが眷属助ける時タイムゲートが発生しなかった?
サクラダイト:あ〜?・・・そのタイムゲートかどうかは知らんが、そういや出てたえ〜。青白い穴が。
ネネ:間違いないね、それタイムゲートだ。
サクラダイト:もう良いかえ?
ネネ:最後に一個だけ、その青白い穴の渦は左巻き?それとも右巻き?
サクラダイト:え〜っと・・・・おお!右巻きだったえ〜♪
ネネ:過去からのタイムゲートか・・・あんがと、もう寝ても良いよ♪
サクラダイト:ホイじゃ。
地中に潜るサクラダイト
椿:これで例年通り夏の草花が芽吹く♪
ネネ:さ、首都に戻ろっか♪
雅:・・・・ちょ〜っとお待ちくださいな♪
ネネ:な、何だよ。これでめでたしめでたしでしょう?
雅:そうもいきませんわ。共和国軍の準備が行われている間何故か簡易シャワー浴びようって言いましたよね?
ネネ:・・・そ、それは・・・。
雅:リネフィさんの脱ぎたて下着一式を幻術使ってフェイクを作り盗みましたね?
ネネ:ワタシナニイッテルカワカンナイナ〜。
リネフィ:カタコトになってる時点でもう怪しい。
雅:陛下のそのポケット。大収容の空間ポケットですよね?潔白なら中を見ても良いですわよね?
ネネ:ア、アワワワ。
雅:椿さ〜ん。
椿の触手でネネ拘束する
ネネ:や、やめて、お願い。後生だから。
ネネのポケットを調べる雅、そこからリネフィの下着が数点発見される
ネネ:オワタ。
雅:おっしおきタ〜イム♪
2時間後 スプリンガル山脈 南部ラフラン山麓
雅:さてさて椿さん。今回のお仕置きは?
椿:今回はこちら、スプリンガル山脈で一番クッサい花『ラフラン』の群生地。その中でも一際臭い『クイーンラフラン』に飛び込んでもらいましょう♪
ネネ:うお!こんなに離れてるのにもうクッサい!ねぇ、やめよ?
雅&椿:あ?とっとと逝けや。
2人でネネを蹴り落とす
ネネ:イーーヤーー・・・・・
クイーンラフランに入るネネ
ネネ:うおーーー!くっさ!めちゃくちゃくっさ!鼻が、鼻が曲がるーーー!
リネフィ:・・・・帰ろ。
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