第1章

しばらく歩いて、公園についた。

ちょっと疲れたな…

そう思いながら、ベンチに座る。

あたりには誰もいない。

ふと、小さい頃を思い出した。


幼稚園の頃は、すごく楽しかった。

友達もいて、毎日遊んで。

それで、たまにケンカして…

けがをして、お母さんに怒られることもあったっけ…

小学生になると、もっと友達が増えた。

もともとそういうのが好きな性格というのもあって、

学級委員をやっていた。

人に頼られるのが好き、

ただそれだけだった。

誰かに媚を売るなんて考えたこともなかったし、

もちろん思ったこともない。

低学年のころはまだよかった。

それなりに友達もいたし。

なのに…

4年生になると、私はみんなのいじめの標的になっていた。


「あの子、先生に気に入られようとしてるよねー」

「ぶりっ子なんじゃん?」

「ああいう子、嫌いなんだよなー」

そんな理由だった。

仲の良かった友達も、自然と私を無視するようになっていた。

…なあんだ、友達なんて、そんなものか。

結局、卒業するまで私は一人だった。


5年生の林間学校も、

6年生の修学旅行も、

思い出なんて何一つない。

あるとすれば、面倒な雑用を黙ってこなしていたことか。

クラスの子たちは、私を空気のように扱っていた。

いてもいなくても同じ、

その頃から自分の存在をこんな風に感じていた。


…このころが原因かな、私がこうなったのー

私がもう少しかわいげのある子だったら、

この人生も少しはよくなってたかな…

とか少し思ったけど、

大して変わらないか。

ふう、と息を吐いて立ち上がる。

行くあてがあるわけではないけれど、

とりあえず歩き出す。

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