見知らぬあの子を夢に招いた 仲良い友達の態で 『約束』

見知らぬあの子を夢に招いた

仲良い友達の態で

ぼくらはすっかり馴染んでた


擦れ違ったことがあるのか

誰かの知り合いだったのか

ただの妄想だったのか


記憶のなかにいないあの子は

親近感を持ち込んで

ぼくの望みを持ち込んで


そこで確かに生きていた

顔ですらもう忘れたけれど

友達同士だったんだ


ぼくらは別の人間だけど

荼毘にふされれば似た者同士

白くて脆い骨となるから


あながち他人でもないような

そんな思いに囚われる

あの子はぼくでもあったのか


見知らぬあの子を夢に招いた

かわした言葉も覚えてないけど

ぼくははっきり知っていたんだ


夢の世界の登場人物

だから仲良い友達で

ぼくを知ってもいたんだね


また出会えるようなことがあったら

必ず言うと約束するよ

ぼくは元気でやっているよと


そうしたらぼくが見ている夢の

ぼくの一部はきっと笑うよ

判っているよと背なかをたたいて




20181102

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