異世界の領主も楽じゃない

@kessyou

第1話 噂は信じてみるもの

「11月11日11時11分11秒


この時間丁度に眠ると異世界に行けるという」


リビングのテレビからの音は部屋まで聞こえてきた。


「……やってみようかな……」


小さく呟き、時計をみる。

今日は11月11日、時刻は11時5分

あと少しで噂の時間になる。



俺は高校二年の神崎 晴

オカルトが大好きで、昔からUMAやUFO、都市伝説なんかを調べたり、探したり、確かめたりしているちょっと痛い高校生だ。


テスト勉強のため部屋に籠り勉強していたら

ふと、テレビの音が聞こえた

しかも自分が好きな番組だったのでついつい聞き入ってしまった。

止める事の出来ない好奇心にかられ、早速噂を確かめるためにベットに入る。

冷えた毛布に体が身震いするが、すぐに慣れ

徐々に体温で暖かくなってきた。

勉強で疲れた体はすぐに睡魔に襲われる

寝るまいと顔をつねったり、頬を叩いたりして睡魔に必死に対抗した

睡魔に耐えながら時計を見る

時刻は11時10分


「あ……とい、っぷん……」

記憶はそこで途切れ……



「……んさま」


澄み切った声がかすかに聞こえる、その声は徐々にはっきりと聞こえて


「ご主人様」


眠りから目を覚ます

体を起こすと目に入ってきた景色はまるで高級ホテルのスイートルームの様な部屋

右横には声の主と思われるメイドが立っていた

金髪で長い髪を後ろに束ね、端正な顔立ち、凛とした佇まいの彼女に思わず見とれてしまった。


「まだ寝ぼけているのですか、ご主人様」


「え、ちょと待って、今何て……」


「まだ寝ぼけているのですか、ご主人様と言いましたが何か?」


「ご、ご、ご主人さまぁぁー!」


こうして俺の異世界生活は突然始まった……


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