むかしばなしのそのむかし


昔々、鳥だったとしたらどうでしょう。


倖せを運ぶ碧い鳥は

銃で撃たれて

海のそこにまっしぐら。


今は、ひとりきりで暗い海底を泳いでいます。


独りは可哀想だと

仲間も海にまっしぐら。


海の底は暗くないです。

みんながいるから

独りは怖くないです。


碧い羽根は海に溶けてしまって

もう飛べないけれど、


倖せです。



それが、いわゆる人魚だとしたらどうでしょう。

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