クソ短編集

ロボットちゃん

私のかわいいロボットちゃん。とてもいい子なの。

私たち夫婦はとっても子供が欲しかったんだけど、不妊治療をしても効果が現れず、人型のロボットちゃんを買うことに夫婦で決めたの。

技術の進歩ってすごくて、ロボットちゃんとは言っても、人間とほとんど見分けがつかないの。

ロボットちゃんも成長するって知ったときはさすがに私、驚いちゃった。

そういうわけで、ロボットちゃんは家族同然、というより、本物の家族よね。

学校にも通わせたし、お勉強も結構できるの。

けれど、この前、信じられないことが起きたの。

ロボットちゃんは高3で受験生だったんだけど、なんと、東大に落ちちゃったの。

私のロボットちゃんが東大に落ちるわけがない。お勉強も頑張ったし、いい子に育ってたんだから。

知り合いの数学者に聞いたら、ロボットちゃんは、人間とは違って、リーディングスキル?が足りなかったんじゃないかって?

けれど、それって、私達の育て方の問題じゃなくて、ロボットちゃんを作った人たちが、人間と同じように作らなかったのが問題じゃない?

私達は、ロボットちゃんがこんな動作するなんて、思ってなかった。

なので、すぐに警察に通報したの。

「ロボットちゃんは、私達の予期する動きとは違う動きをする、悪質なソフトです、コンピュータウイルスです」って。

だって、そうじゃないの。ロボットやソフトは、利用者の予期する動きをしなければいけないし、そうなっていなかったら、それは悪質なソフトで、コンピュータウイルスなの。

実際、神奈川県警は動いてくれたわ。私達に悪質なソフトを売りつけた会社の役員や開発者は逮捕されたの。ほら、だから言ったじゃないの。

ロボットちゃんは悪質なソフトだと分かったんだから、早く処分しないとね。