65話〜聖剣紛失

 ここはシェイナルズ城の崩壊した魔法研究施設。


 ブラットはガルド達にここで何が起きたのかを話しているとフェリア達がテレポーターで現れた。


 そしてフェリアはブラットを見るなり駆け寄り、


「ブラット、良かった……無事だったのですね。」


「あ、うん。とりあえずは、生きてるみたいだけど。」


 その後からサアヤが近寄ってきて、


「ブラット、それならば良かった。だが、このドラゴンは、何故苦しがっている?」


「グオォォーーー!!」


 黒龍は未だに苦しくて雄叫びを上げていた。


 そしてブラットはフェリア達にもここで起きた事を話した。


「なるほど。ブラットのその力で、このドラゴンを……。」


 ガルドは黒龍に近づき、


「おい!お前ら、こっちに来てみろ!!」


 そう言われブラット達は黒龍のそばに近寄った。


「グオォォーーー!!」


 すると黒龍は未だに苦しく雄叫び上げていたが、


「お前ら、黒龍を見て何か気がつかねぇか?」


 そう言われブラット達は黒龍をよく見てみた。


 そしてフェリアが何かに気がつき、


「これはまさか……。」


 サアヤも何かに気がつき、


「なるほど、面白い事が起きているみたいだな。」


 そう言われたがコトネ達は何が起きているのか分からなかった。


 そしてブラットは首を傾げ、


「面白い事って、いったい何なんだ?」


 するとガルドはブラットを見て、


「ブラット、黒龍をよく見てみろ!何が起きてるか分かる筈だ。」


 ブラットは黒龍をよく見た。


「グオォォーーー!!」


 黒龍は相変わらず苦しんでいた。


 するとブラットはある事に気がつき、


「これって……もしかして、小さくなってるのか?」


 ガルドは頷いた。


 そう黒龍の体が徐々に小さくなって来ていたのだ。


 ハングはそれを聞いて、


「おい!小さくなっているって……どういう事何だ!?」


「恐らく、ブラットの何らかの力なんだろうがな。」


「親父、俺の力っていったい……。」


 ブラットは自分の両手を見た。


「ブラットの力が何なのかは、分からねぇが。ん〜、他で、その力を使った事はねぇのか?」


 ガルドがそう言うとサアヤが街であった事を話した。


「ちょ、ちょっと待て!?今、何て言った?聖剣が全く違う物になったって!それはどういう事なんだ!?」


「さあ、俺にも分からないんだよな……。」


「そういえば、ブラット。その聖剣はどうしたんだ?」


 サアヤにそう言われブラットは辺りを見渡した。


「そういえば、部屋にあるのかな?」


「ブラット!何故手元に置いておかないんだ?」


「サアヤ、そう言われても、目が覚めた時には荷物も何も何処にあるのか分からなかったし……。」


「まさかとは思いますが、もし部屋に無いとすれば、もしかしたらレオルドが持っているのではないでしょうか?」


 ブラット達は辺りを見渡しレオルドの姿がないのに気がつき、


「レオルド逃げたな。そうなると、その荷物を取り返さなければならないな。」


「ああ、そうだな。だが、その前に、この黒龍をどうにかしねぇとな。」


 すると黒龍は急に、


「グオォォーオォォーー!!」


 と今まで以上に苦しみ出し雄叫びを上げていたのだった…。

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