64話〜皇帝マグドの真意とは
ここはシェイナルズ城内の魔法研究施設がよく見える部屋。
そこで皇帝マグドは外を見ていたが、尋常ではない地響きとドラゴンの鳴声を聞き、しばらく様子を伺っていた。
その後ブラットがした事を一部始終見ていた。
「まさかあれが、ブラットの力なのか?だが、いったいあの力は何なんだ?」
そしてマグドは外の様子を伺いながら考えていると扉が開き、シェイナルズの大臣クライス=ルティが部屋に入って来た。
マグドの前で一礼をすると話し出した。
「陛下。お呼びでしょうか。」
「クライスか、先程から外を眺めているのだが、起きた事は大体は分かる。ただ、あのブラットの力が何なのかは分からない。しかし、あの力は恐らく、まだ不完全。もし、その力が完全なるものになった時どうなるかなのだが……。」
「どうなさいますか?ガルド様も駆けつけて来ている様なのですが。」
マグドはそう言われ溜息をついた。
「はぁ……私がガルドに今更会えると思うか。ブラットを拉致し利用しようとしたのだからな。恐らく怒っているだろうな。」
「では、私を何故お呼びになったのですか?」
「悪いが、クライス。レオルドは恐らく私を裏切りこのまま逃げるだろう。その前にここに連れてきて欲しいのだが。」
「承知しました。直ちに配下の者達にレオルドを連れてくるように手配いたします。」
クライスは一礼をして部屋を出て行った。
(レオルドを利用しようとしたが、奴を侮っていたやもしれん。危うく、こっちが利用される所だったかも知れんな。まぁ、気づいていないふりをこのまま続けるつもりだがな。」
そう考えていると扉が開きエリーゼが入って来てマグドに一礼をした後ひざまづいた。
「陛下、申し訳ありません。レオルド様が、まさか、勝手にブラットを魔法研究施設に連れて行くとは思っていませんでした。見張ってはいたのですが……。」
「エリーゼ、仕方がない。私の落ち度でもあるのだからな。」
「それで、ブラットはどうなさいますか?」
「ガルドが来ている。今動くのは流石に不味いだろうな、少し様子を見て機を伺った方がいいだろう。」
「承知しました。では、ブラットを今まで通り見張る事に致します。」
エリーゼは一礼をして部屋を出て行った。
そして、マグドはエリーゼが出て行くのを確認するとまた外を眺めていたのだった…。
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