23話〜聖剣と父親の偉大さ

 ここはティールの街の北側の入り口付近の外。


 ブラットは呼び出されて来ていた。


(ん〜。これからどうなるんだ俺は?)


 そう思っていると、綺麗な女性が入り口の門からこっちに来るのが見えた。


(まさか、あの女性が手紙の相手かな。でも何で?)


 そう思っていると、その女性……いや、ルルーシアが話しかけて来た。


「貴方が、ブラット=フレイさんですね」


「はい、そうですけど?」


「初めまして、私はルルと申します。そして貴方の事が少し気になりましたので」


「俺の事?」


「では、問答無用で……」


 ルルーシアは両手に短剣を構えブラットに襲いかかった。


 ブラットはそれを見て慌てて、


「おい!?ちょ、ちょっと待てって!! 」


 ブラットは、とっさに父親から貰った聖剣を盾に使って防いだ。


 それを見て、サアヤ達は一瞬反応しようとしたが、少し様子を見ることにした。


 ルルーシアはブラットが持っていた剣を見て、


「お前は何者だ⁉︎何故その聖剣を持っている?」


「これは、親父が俺にくれた聖剣だ⁉︎別に持っていていたって、おかしくはないだろう?」


「お前の父親だと!!その剣は英雄王ガルド様の聖剣。その辺の……おい、そういえばお前の名前確かブラット=フレイだったな?まさか……待て、もしかして、お前の父親の名は?」


「親父の名は、ガルド=フレイだけど?」


 ルルーシアは驚いた。


「まさか、あのガルド様の御子様が、なるほどそれで水晶が破壊されたわけですね」


「はぁ、あの?よく分らないんだけど、この状況……」


「あ、これは失礼しました。改めて、私はルルーシア=レオと申します。そして、ここの街の冒険者ギルドのマスターをしています」


「えっ!?ギルマスさんって。やっぱ水晶の事で怒ってですかねぇ」


「いいえ、とんでもありません。貴方のその力が少し気になりましたので」


「俺の力が?」


「はい、しかしここではじっくり話をするにも、そうですね。貴方のお仲間の方々とも話をしたいと思いますので、明日改めて宿の方に、お伺いさせて頂きたいと思いますが?」


「多分、大丈夫だと思うけど」


 ルルーシアはそう言うとその場を去った。


 その後サアヤ達はブラットの所に来ると、


「いったい、これはどういう事なんだ?」


「俺にも分からないけど。ただ言えるのは、親父の聖剣のおかげで命拾いしたと言う事かなぁ」


「それでは、あの方はガルド様と知り合いだったのですか?」


「それは分からないけど。詳しい話は、明日皆がいる場所でって言っていた」


「なるほど。それならば、明日詳しい話を聞くと言う事で、ひとまずは、宿に帰って休もう。それに、そろそろフリックとグレンも帰って来てる頃だろうしな」


 そしてブラット達は、その場を離れ宿に向かったのだった…。

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