22話〜ギルマス ルルーシア=レオ
ブラット達が冒険者ギルドを出た後、受付嬢はブラットの件でギルドマスターのルルーシア=レオに報告に来ていた。
「なるほど。それで、そのブラットって奴は、今何処にいるのかしら?」
「確か、ベリー通りにある宿屋に泊まっている筈です」
「ふぅ〜ん。それなら、会って確認しないとね。そいつが何者かを」
「今から行かれるのですか?あちらには後日と言ってしまいましたが」
「大丈夫だとは思うけど。それに、私は最初から本当の名前を名乗る気はないのでね。ただ、状況によっては名乗るかもしれないけれど」
「分かりました。それでは、このままお忍びでという事でよろしいですね?」
「ああ、そういう事になるので、後はよろしく頼むわね」
「はい、お気をつけてマスター」
ルルーシアは左手を軽くあげ、ギルドの裏口から出て行った。
その頃、ブラット達は宿屋で話をしていた。
「さて、これからどうする気だ?」
「どうするって言われてもなぁ」
「そうですね。さっきので、ギルド登録が出来るかどうかも怪しくなってしまいましたし」
「私は、どうなるのかなぁ」
話をしていると扉を叩く音がして、コトネは扉を開けた。
すると扉の向こうには、宿屋の女将さんが手紙を持っていてコトネにその手紙を渡しその場を去った。
そしてコトネはその手紙をサアヤに見せた。
その手紙はブラット宛ではあったのだが、用心の為サアヤが読む事にした。
「【私は先ほど、ギルドで見ていた者です。ブラットさんの事についてお聞きしたい事がありますので、ティールの街の北側入り口付近の外に1人で来て下さい】」
「これって俺宛だよな?それに1人で来いって……」
「確かに、先ほどの事だろうが、1人で来いとは気になるな」
「そうですね。ブラットは、まだ力を出せる状態ではないのですから」
「どうするの、このまま無視する?」
「そうもいかないだろうな。それに、相手がなんの目的でブラット1人に用があるのかなんだがなぁ」
「はぁ、とにかく会わないといけないなら、1人で行くしかないよなぁ」
「そうですね。会って、真意を確かめないといけませんね」
「そうなると、ブラットを1人行かせて、私達は監視していないといけないが」
「それならば、私の力で監視できますが?」
「なるほど、それならば、私達はいつでも助けに行ける位置にいれば何とかなりそうだな」
そして、ブラット達は宿屋を出て、指定の場所に向かったのだった…。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます