148話〜各々の状況と離脱と異色のチビ悪魔と
ガインの巨大な銃剣により、名もなき城の中庭全体が激しく揺れ鳴り響く轟音。その東側の広い通路側では、更に増え続けるチビ悪魔。
緊迫している最中その場に居合わせる者の全てが、どう動き対処した方がベストなのかと思い、戸惑い、その場の雰囲気にのまれそうになっていた。
南側の祭壇に向かう、アリスティア、クレイ・マルス、ユウ・ライオルス、ダリア・グラッセ。
ガインの様子を伺う、ハクリュウ、タツキ・ドラゴナイト、バルム・ヴェルグ。
南側の祭壇に向かいたいが、バルムの配下の者に囲まれ動きが取れないでいるレオン・ホワイト。
現在クルフ・シナモンに介抱されなんとか動けるようになり、この状況を不安に思いながらも見守るクロノア・マリース・ノギア。
一方そんな中で南の祭壇の方の戦況とタツキの心配をするリッツ・ビーホルンは、オルドパルスと共にここ北側の祭壇で待機している。
リッツは悩んでいた。自分がここにいてはまずいのではと。そう今のこの状況では足手まといになる。
それに、もしもガインの能力が暴走でもしたら……と思いある決心をした。
タツキの指示を待っていては、手遅れになるかもしれない。それなら、オルドパルスを連れてこの場を離れた方がいいと判断する。
その後オルドパルスにここは危険だから別の場所に移動すると伝えた。それを聞き、オルドパルスは「分かった」と頷く。
リッツは、多人数転移用のコンパクトを手にする。
(ホントはこれ、タツキのために作ったんだよなぁ。だけど、今はそんなこと言ってられない。
それと転移する場所は城の外がいいよね。タツキのこと心配だし)
そう思いながらコンパクトの魔石に手を添え、魔力を注ぎ「この城の外」と言う。すると魔法陣が二人の真下に描かれた。
それと同時に魔法陣が光を発しながら、真上にスッと移動し二人の姿は消える。そして、そのまま辺境の地の名もなき城の外へと転移した。
片やハウベルトとテリオスは、東側の通路に向かいながらも、南側の祭壇の様子が気になりチラチラとみる。
だがそう思うも、今自分たちができることをするべく東側の通路へと急ぎ向かう。
場所は移り東側の通路。未だにチビ悪魔が増え続けディアナは眠ったままだ。
シャナ・バイオレットとカルテット・ロードは、この状況をどう打開したらいいのかと悩んでいた。
だが中庭の方から聞こえくる轟音と激しい揺れに二人は、更に不安な気持ちが増していく。
すると眠っているディアナの胸部の辺りに描かれている魔法陣から、一体だけピエロのようなチビ悪魔が姿を現した。
「ク、ロ、ノ、ア……」
そう言いディアナが身につけているペンダントをみると周囲をキョロキョロする。その後、何かを察知したかのように中庭の方に視線を向けた。
「い、た……け、ど……」
そのピエロのような姿のチビ悪魔は、首を傾げたが何かを納得したかのようにニコッと笑い、フワフワ浮きながらゆっくり中庭の方へと向かう。
それをみたカルテットは、阻止しようとしたが思いとどまる。
そう他のチビ悪魔が、ピエロのようなチビ悪魔のあとをついていく気配がない。
もしかしたらピエロのようなチビ悪魔の今の行動は、さっき『クロノア』と発した言葉に関係しているんじゃないのかと思ったからだ。
そのためカルテットは、そのピエロのようなチビ悪魔の行動と中庭の様子が気になり、シャナにこの場を任せることにする。
シャナは不安ながらも、ただこのまま手をこまねいていても仕方がないと。
そう思いカルテットに、ピエロのようなチビ悪魔と中庭の方を任せることにする。
それを確認するとカルテットは、この場を離れピエロのようなチビ悪魔を追いかけ中庭に向かう。
__そして、更に緊迫した空気が辺りに漂い増していく……。
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