118話〜魔王となる儀式〜阻止〜{☆}

 ここは名もなき城。そして、中庭の北側に設置された儀式の祭壇がある場所。


 あれからユウは、色々と考えたすえ、真の魔王になる事を決意する。


 そして、ディスペアーとオルドパルスの手を借り、魔王となる為の儀式をおこなおうとしていた。


 新たに描かれた魔法陣の上ではユウが、魔神の水晶を持ち、気持ちを落ちつかせている。


(大丈夫だよな?オルドパルスの話だと、魔王の力を手に入れるだけって言ってたし)


 ユウはそう自分に言い聞かせていた。


「ユウ様。そろそろ儀式をおこないませんと、シェルズ城の手の者に、気づかれてしまいます」


 オルドパルスは、ユウがなかなか儀式をはじめないため、イライラしていた。


 そう言われユウが詠唱しようとしたその時、タツキはそこに姿をあらわした。


「その儀式、ちょっと待て!!」


 タツキはそう言い、ユウ達の方へと近づいてきた。


(待てって。いったいコイツ何者なんだ?)


 ユウは水晶を持ったまま身構えると、近づいてくるタツキを警戒した。


「待てとは、おかしなことを言いますね。そもそも、我々の邪魔をしようとする、貴方は何者なのでしょうか?」


 オルドパルスは、ユウをかばうように杖を持ち身構えた。


 そしてタツキはユウ達の側まできた。


「だから待てって!俺は、お前たちの敵じゃねぇ」


「それは、どういう意味なのでしょう?」


 オルドパルスはタツキを疑いの目でみている。


「オルドパルスの言う通りだ!……な、何で儀式の邪魔をするんだ?」


 ユウは気になり、じーっとタツキのことをみている。


(この声って。どこかで聞いたような気がする。ん〜どこでだろう?)


 ユウはその声に聞きおぼえがあった。だが、それが誰なのか思いだせずにいた。


 そしてタツキは2人にそう聞かれ話しはじめた。




 一方リッツは、その様子をタツキ達に気づかれないように、近くの物陰でみていた。


(タツキは何で、あの儀式の邪魔をしたんだろう。それに、オルドパルスは何の儀式を、あの人にさせようとしてるのかな?)

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る