番外⑵‥❸〜出会いとバトル‥後編
ここはゲームセンターの中。麻里亜は黒のキャップの女性と格ゲーで対戦していた。
そして、2ラウンド目に突入していた。
(ん〜、残るは後1つだけ。これがスカなら後は打つ手なし。まぁ今考えていても仕方ない。)
(もしかしたら、何か考えているかもしれない。という事は、油断出来ないって事よね。)
黒のキャップの女性はダッシュし、上段下段と回し蹴りを繰り出してきた。
麻里亜はその攻撃をギリギリの所でガードしていたが、徐々に相手の勢いに圧され始めていた。
そして黒のキャップの女性は投げ技を決めようと麻里亜を掴んだ。
(ちょ、これって不味い展開よね。賭けの要素が強いけど、やるしかないよね。)
麻里亜は裏技の後1つのパターンを試してみる事にした。
(確か、黄色と赤のボタンを同時に押し、右下、左、上、下、左上、だったはず。そしてすかさず緑のボタンを連打だったかな?)
すると激しい光が放たれ黒の女性を弾き飛ばした。
(えっと、これって一時的に強くなるやつかぁ、他にもあったのかな?まぁいいか、何とかなるでしょ!)
(ちょ、これって……。)
黒のキャップの女性は回転しながら着地し、なんとか体勢を整えたが、弾き飛ばされた衝撃で、LIFEを1/10減らした。
麻里亜はすかさずバトンを前に翳しリズミカルに回転させると、
《ファイアバード アタック!!》
バトンに炎を纏わせ、頭上に投げ、手から離れると、バトンが火の鳥に変化し、黒のキャップの女性を襲った。
(これは不味い!仕方ない、裏技と超必殺技をやるしかないわねぇ。)
黒のキャップの女性は素早くボタンを操作すると、全身に風を纏わせ、
《爆殺旋風撃!!》
すると爆風と共に上段下段とキックとパンチのコンボを繰り出すと、火の鳥を打ち消しバトンを跳ね返した。
(このままじゃやられる!)
麻里亜は攻撃をガードした。だが、威力があり防ぎきれず攻撃を受けダメージを負った。そして、後方に転回しながら避け間合いを取ろうとした。
(フッ、まだまだ甘いわねぇ。これで終わりだと思ったら大間違いよ!!)
すると、黒のキャップの女性は、すかさずキックとパンチを連続で上下に繰り出しダメージを与えた後、両手で摑まえると上に投げ飛ばし、
《疾風雷撃脚!!》
画面が暗転しキャラのカットシーンと共に風が吹き雷鳴が轟いた。
(あっ!暗転したって事は、超必殺技がくる。それなら、ここに書いてある超必殺技でいけるか分からないけど、やってみるか。)
黒のキャップの女性は、技を繰り出そうとしたが、
《ラブ トルネード!!》
画面が暗転しキャラのカットシーンと共に無数のハートが辺り一面に風と共に渦を巻いた。
(えっ!暗転返しって……。やっぱり、この人ゲーム慣れしてる。それなら……。)
すると麻里亜は技を繰り出そうとした瞬間、画面が切り替わると同時に黒のキャップの女性はダッシュし麻里亜の目の前まで来ていた。
だが麻里亜は、瞬時に後転し構えスライディングするとキックを連打した。そして、黒のキャップの女性にダメージを与えた。
黒のキャップの女性は、ダメージを負いながら気を溜めていた。気のゲージがMAXになるとキックコンボとパンチコンボの猛攻撃が麻里亜を襲った。
(えっ?)
そして、黒のキャップの女性は麻里亜を蹴り上げると、ハイジャンプをし空中で掴み投げ落とした。
(フッ、今度こそこれで終わりよ!!)
麻里亜はピヨってしまい動けなくなった所を、止めとばかりに黒のキャップの女性はキックコンボとパンチコンボを交互に繰り出した。
麻里亜はなす術なく、その場で倒れノックアウトし負けてしまった。
「あぁあ、負けちゃった〜。」
麻里亜は負けてゲーム機から離れようと立ち上がった。
(えっ?この声ってまさか⁉︎)
すると黒のキャップの女性が麻里亜の声を聞き立ち上がり、
「ねぇ、確か貴女って黒城さんよね?」
麻里亜はそう言われ不思議そうに黒のキャップの女性を見た。
「そうですけど。えっと、何で私の名前を?」
黒のキャップの女性はサングラスをとり素顔を見せ、
「んー、余り話した事ないから覚えてないかなぁ?」
「あ〜、く、黒野さん! 何でここに?」
「んー、まぁ細かい話は後にして、それよりさぁ、この後暇なら駅前のカフェで色々話さない?」
「別に、この後用もないので構いませんけど。」
「うんうん、じゃ行こう〜。」
そして、麻里亜と希愛はゲームセンターを出て、駅前のカフェに向かった。
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