番外‥⑱〜決断

 あれから光は龍騎と勇聖と草壁とファミレスで色々と話をしその場で別れ家に帰った。


 ここは光の部屋。光はパソコンのスイッチを入れ龍騎から聞いた話をパソコンに書き込み、その内容をまとめていた。


(とりあえずこれでいいかな。龍騎さんが教えてくれた事はSNSにも残ってるけど、それだけだと話をまとめるにしても足りないしな。ん〜でも、これが事実ならこのゲーム自体危険なんじゃないのか?でも、龍騎さん達より前に召喚された人達って、このゲームから召喚されたのか分からないしな。もしかしたら他のゲームからの可能性もあるだろうし。そう考えると、このゲームだけが危険って訳じゃなくなる。ん〜、でもどうなのかなぁ。)


 そう考えていたが頭が疲れてきたので、寝る事にした。



 そして次の日。光は休みだった為、早々と午前中からパソコンのスイッチを入れゲームにログインした。


 光……いや、コウキはギルドロビーでステータス画面を開き色々とチェックをしていた。


 すると、リュウキがコウキの前に現れた。


「コウキ。今日は午前中からインしてるんだな。」


「あっ!リュウキさん。昨日はご馳走さまでした!それと、もう大丈夫なんですか?」


「ああ、何とかな。俺の方こそ迷惑かけたな。すまなかった。それはそうと、俺はあれから色々と考えてみたんだ。あんな事があった後で、このまま俺はこのゲームを続けて行く事が出来るのかとな。」


「リュウキさん……。」


「コウキ。いきなりで悪いんだが、ギルドを解散しようと思う。シュウには悪いが。いや、多分アイツはもう戻って来ないと思う。そして、気持ちの整理をする為、俺はしばらくソロでやろうと思っているんだ。そして、そこで答えを見つけ出そうと思っている。」


「そうなんですね。俺はそれでいいと思います。リュウキさんが、そうしたいなら。その方が気持ちの整理が出来るなら。ただ、このギルドがなくなるのは、なんか凄く残念ですけど……。そういう事なら、しばらく、俺はユウさんの所でお世話になろうと思います。」


「コウキ、本当にすまない。後は他のメンバーにも伝えないとな。あっ!そうだった。お前には色々と迷惑かけたから、これを受け取って欲しいんだが。」


 そう言うとリュウキはコウキのフレンドボックスに刀と盾を入れた。


「リュウキさん。それは龍の刀と盾……。こんな良い武器と盾を何で俺なんかに?」


「だから今、言っただろう。お前には迷惑かけたからって。だから、もらってくれないか?それにお前の目標って、サムライだったよな?もしサムライになれた時、その刀は必要になる。それとその盾は剣を使う職業ならかなり役に立つ。」


「リュウキさん分かりました。大事に使わせてもらいます。ありがとうございます。」


「ああ。それはそうと、ユウはインしてるか?」


「ん〜、待ってて下さい。ちょっと確認してみますね。」


 そう言うとコウキはステータス画面を開きフレンドリストを調べた。


「あっ!ちょうど今インしたみたいです。」


「そうか。アイツにも礼を言いたい。かなり心配してたみたいだからな。それに、アイツの事を誤解していた。その事についても謝りたいしな。コウキ、俺はユウとフレンド登録をしていない。ユウの所に連れてって欲しい。」


「リュウキさん。分かりました。」


 そして、コウキはユウの所に飛び、リュウキはその後を追った。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る