番外‥⑰〜龍騎の想い

 ここは龍騎のアパートの近くのファミレスの中。


 龍騎達4人はテーブル席に座りメニューを見ていた。


「さて、俺はこれでいいか。お前達は決まったのか?」


「俺は決まりました。」


 そう言うと勇聖と草壁は頷いた。


 龍騎はそれを確認するとテーブルに備え付けられているボタンで店員を呼んだ。


 店員が来ると龍騎達は、それぞれ好きな物を注文した。


「さて、じゃ、料理が来るまでの間SNSで会話するとしようか。」


 そう言うと光と勇聖と草壁は頷きスマホを目の前に置きSNSに繋いだ。


【龍:勇聖。改まって聞くが、シュウの様子はどうなんだ?】


【勇:龍騎さん。シュウは戻って来てから余り喋らなくなって、部屋に居る時間が前より増え、たまになんだけど何かを叫んでるようなんだ。】


【龍:そうか、アイツはアイツなりに、あの時の事を思い出し悩んでるんだな。】


 そうスマホに入力すると、龍騎は俯き一点を見つめていた。


 そして龍騎は口では説明出来なかった異世界であった事をSNSで事細やかに入力した。


【光:龍騎さん。俺は何も言えません。実際その場で経験してないからかも知れませんが。でもさっきも言った通り龍騎さん達は悪くないです。それにまさか過去にもそんな事があった。そのせいで龍騎さん達は酷い目にあった。】


【草:そんな事があったとはな。ディオンの様子がおかしくなった訳はこれか。それに、その話を聞く限りやったら、俺から見たって龍騎が謝る必要ないと思うけどなぁ。】


【勇:俺なら、そんな奴らぶん殴って、その世界をぶっ壊して元の世界に戻る。】


 そう入力すると、龍騎と光と草壁は驚き勇聖を見た。


【龍:お前、本気で言ってるのか?】


 そう入力すると、勇聖は3人を見た後、


【勇:多分SNSだから言えるのかも知れないけど。今の俺のままなら、実際その場に立てば何も出来ないかも知れない。でも、龍騎さんの話を聞く限りだと、向こうは偏見だけで龍騎さん達を……余りにも酷すぎる。】


 そう入力すると勇聖は下を向き泣きそうになるのをこらえながら鼻をすすっていた。


【龍:勇聖。ありがとな。これは無いとは思いたいが。だが、もしも俺と同じ世界に行くような事があったら、アイツらに謝っておいて欲しい。それと勇聖。その気持ちは心の中にしまっておけ。もしお前があの世界に……いや、他の世界かも知れないが。行くような事があった時。その考えだけは捨てろ。いいな!?あっちの世界の者達からすれば俺達の存在は驚異なんだ!】


【光:龍騎さん分かりました。】


【勇:うん、気をつけるよ。】


 そう話をしているとメニューが運ばれて来て龍騎達4人は一旦SNSの会話をやめ食べ始めた。

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