43話〜儀式の準備

 ここは名もなき城。オルドパルスは儀式の準備をしていた。


 儀式場は城の中庭に造られていて、オルドパルスはそこに獣の生き血で小さな魔法陣を北と南と真ん中に描き、北と南を繋ぐように大きな魔法陣を描いた。


 そして、辺りに生臭い血の臭いが徐々に充満してきていた。


「さて、こんなものか。あとはあれとあれを配置すれば……」


 すると、ゲランが中庭に入ってきた。


「オルドパルス殿、いよいよですな。今更なのだが、邪魔などは入らないのだろうな?」


「ゲラン殿、ご心配は無用です。配下の者達には、警備の方を強化するように言ってありますので」


 オルドパルスは必要な道具などを、各々配置をしていた。


 ゲランはそれを見ながら、


「私は、何をすればいいのだ?」


「ゲラン殿にして頂く事は、今の所はありませんので、お部屋でお待ち下さい」


 オルドパルスにそう言われゲランは頷くと、


「うむ。時間まで、やる事がなさそうなので、オルドパルス殿が言うように、部屋でもう少し休んでいるとしよう」


(やはり、警戒されている。これでは何のために、変装までして、ここまで来たと言うのだ。まぁいい。儀式まで、まだ充分時間はある。その間に……)


 ゲランはその場を離れ部屋で休む事にした。


 そしてオルドパルスは、ある程度の準備を終えるとユウの部屋へと向かった。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る