26話〜ノエルとユウ〜近くにいても〜{改}

 その頃ノエルは、オルドパルスに眠らされ荷馬車の中にいた。


 相変わらず口を特殊な布で覆われ、特殊な力で前よりも頑丈に拘束されていた。


 ノエルは目を覚ました。そして身体を動かそうとしたが動けず、辺りを見渡そうとするが、微かに見渡す事ができる程度だ。


(……う、動けにゃい!どこに連れて行かれるんだろう。にゃんの為に私を?まぁ考えても仕方にゃいしにゃぁ。それに、この状態じゃにゃにもできにゃいし)


 そう考えノエルはしばらく様子を見ることにした。




 そして、ノエルが乗っている荷馬車の前の方には、大臣オルドパルスとユウ・ライオルスが乗っている馬車が走っていた。


 馬車の中ではオルドパルスとユウが会話をしている。


「これから新たに作った城の方に移り、そこで儀式をして頂き完全なる魔王となって頂きたい」


 そう言いながらオルドパルスは後ろを向くと、


「そして後ろの荷馬車には、ユウ様のために必要な生贄も用意しておりますので」


「あのさ、色々と考えてみたんだが、俺が魔王って……やっぱり、間違いじゃないのかな?」


「ふっ、ユウ様はまだ、本来の力を手に入れていない為、そう思われるのは当然と言えば当然かもしれません」


「だけどなぁ……」


「ですがユウ様。覚醒をすれば、本来の魔王としての力を手にする事が出来るのです」


「ん〜そうなんだろうけど……。あっ!そういえばさっき、生贄って言ったけど……それって?」


「まぁ、その事はおいおい、城につき次第、準備をしながらでもお話しいたしますので」


 オルドパルスは外をみた。


「ユウ様。もうそろそろ、城に着きますので……」


「そうか……」


 そう言うとユウは不安ではあったが、今の段階では状況が分からないので、もう少し様子を見ることにした。

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