24話〜大臣とノエル{改}

 あれからノエルは何故か、城下街にある大臣の屋敷の地下牢にいた。


(はぁ〜、にゃんだかにゃ〜。あの時、私は確か貴族の誰かに引き渡されるはずだった。

 だけど、にゃぜかあのオルドパルスとかいう大臣がいて、あいつらは大臣にやられ、私は捕まった。まるで私が誰か分かっていたかのように。

 それにしてもにゃ?こうも頑丈に拘束されていると、にゃにも出来にゃいんだけど)


 ノエルがそう思っていると、誰かが近づいてきた。


「これはこれは、お目覚めですかな、異世界の勇者様。ここを移動しなければならなくなりましたので、あなた様にも、これから一緒に来て頂きたいと思います」


 ノエルは口を塞がれた状態で、


「……ぼごべびびゅびゃ〜!?」


 ノエルがそう言うと、オルドパルスはそれを見て腹を抱えて笑い出した。


「ワッハハハハ……これは失敬、つい笑ってしまいました。あまりにも面白かったもので」


 そう言いながらオルドパルスはノエルを覗き込み、


「しかしながら、いまだに信じられません。あなた様のような方が異世界の勇者様とは……しかしながら、まだ本来の力は出てはいないはず」


「……」


(本来の力?)


「3人が揃い、そして……まぁ、それは叶わない事になると思いますが。それにあなた様には、その前にやって頂きたい事がありますので」


 そして、オルドパルスは、ノエルを拘束し魔法で眠らせ、そのまま抱きかかえ連れて行った。

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