第2話 追われて、止まって、ひと呼吸

僕は、いまとても困っている!

え?何故かって?

なら、今の状況を確認してみよう。

後ろには、3mぐらいの闘牛とうぎゅうっぽいやつがすごい勢いで僕を追いかけてきている。しかも、ここは森の中だ。そう、つまりは、無理ゲーだ。逃げ切れるわけが無い。なんでこんな状況になったって?

それは、1時間前まで遡ることになる。


『1時間前』


「星宮がいない。どこいったんだろう?」

僕は、幼馴染みの恵を探していた。(2時間ぐらい探していたからとても心配していた。)その時、後ろの茂みから音がした。

ガサガサガサッ

「ん?星宮?」

な訳ないだろうと冗談を言いながらも、後ろを見ると……

大きな2つの光が茂みの隙間からこちらを見ている。そして、こっちにやって来て……

「ブルォォォォォォォォ」

鳴き声を上げた。

「……えっ?嘘だよね。えっとー、牛?いや違うような。闘牛っぽい?どっちも牛じゃんか!と言うより…でかい!」

姿を現したのは、3mぐらいの闘牛(?)だった。

闘牛(?)は、俺を見ると、

「ブルォォォォォォォォオオオオオオ!」

と、唸り声を上げ追いかけてきた。

「嘘!?ちょっ、こっち来ないでー!」

ここから、僕と闘牛(?)の鬼ごっこが始まったのだ。


『現在』


「もう、何処どこまで追ってくんだぁぁぁ!」

と僕は、絶叫しながら走っていた。

「ブルォォォォォォォォ!!!」

「やばい、結構近くなってる!」

距離を確認するため振り返ってみると、最初は10mぐらいあった距離は、もう3mぐらいになっていた。

「やばい、やばいよ本当に、そろそろ体力も尽きてきたし」

このままじゃダメだと思いどうにかこうにか思考を巡らせていた時、

[ ようやく見つけた。ふふふ、厳しいようだね。]

と、上から僕と星宮を異世界に送ったやつの声がした。

「ちょっと!少しは、助けてよ!」

僕は、大声で怒った。

すると、

[ 仕方ないなぁ。ちょっと我慢してね。]

「えっ?」

どういうことだと思っていたら、僕の足元で異世界に召喚された時に見た、白い魔法陣が描かれた。

「ちょっと待って!」

[ もう遅いよ。]

そう言われた瞬間、魔法陣は輝きだし、

「嘘でしょ!」

僕がそう言い終わる前に、僕は、光に呑まれた。


『???』


「もー!眩しいかったんだけど!」

「ごめんごめん」

僕は、僕と星宮を異世界に召喚したやつを一目でも見ようと、文句を言いながら顔を上げた。

「全然謝ってないじゃん、謝る気ないよn……」

だが、最後の言葉を言えなかった。何故なら、

「……えっ女の子?」

そう、僕の目の前には、腕を組んだ女の子が立っていたからだ。

「何?訳の分からないものを見たようなした顔をしてどうしたの?」

「いやいや、誰?」

僕は、呆れた顔をしてたずねた。

すると彼女は、

貴方あなたは、鳥頭なの?私は『アイリス』創造神よ、貴方と星宮って言うやつを、『シャデルド』に呼んだのも私よ。」

「『シャデルド』?」

「この世界の名前よ、貴方から言ったら『異世界』って奴よ。」

「そう……今さっき星宮って言ったよね?ここに、星宮は居るの?」

「ここには、居ないなぁ。彼女は……なんーだ近くにいるじゃない」

アイリスが指を鳴らした、すると、僕の横に白い魔法陣が現れた。

「白き魔法の門よ、我の望むものを召喚したまえ!……プロスゾクフ」

すると、魔法陣が輝きだし

「きゃぁぁぁぁ、落ちるー!」

星宮が上から降ってきた。

「なんで上から?」

「ごめーん、間違えたみたい。」

「いやいや、間違えたで済まないよ!」

僕とアイリスが言い合いをいていると、

ドスッっという音がなり、

「痛っ、高さがそんなになくて助かったよ、それより星菓、この子誰?」

と、言ってきた。

「私は、アイリス、この世界の創造神よ。それと、2人とも周りを見渡してみて。」

アイリスに言われて、僕達は、周りを見渡してみた。僕は、それまできずかなかった事に、きずいた。

「わぁー凄ーい!」

「色が無い?うーん違う、色が薄い感じ?」

そう、周りの色は、とても薄かったのだ。まるで、色が滲んでいてモノクロのように、しかも、

「よく気が付いたね。今は、時が止まっている状態だよ、だけど、色が元どうりになったら、時は、動き出すの。さて、あなた達にはこの世界の説明と、やることを話さなければいけないね。」

アイリスが言うとうり、本当に時が止まっているらしい。何故なら、僕を襲ってきた闘牛(?)が、地面から僅かに宙に浮いて静止しているからだ。

「してもらうことって何?」

僕は、アイリスの方を振り向きながら聞いた。

「ふふふ、それはね、この世界で好きに生きることなの。」

アイリスは、笑いながら言った。

「えっ?それがすること?」

「それだけでいいの?」

と、僕達が呆れていると

「そうよ。好きに生きること。何?まだ足りんかった?」

「いいや別に、少しビックリしただけだよ。」

「ううん、それだけでいいよ。」

僕は、これだけならラッキーと思っていた。何故なら、僕はこの世界で、本を読んだり、美味しい食べ物を食べたりなどをして、スローライフを送りたかったからだ。しかしこの時僕は、きずいていなかった、この世界にも、小説やゲーム、漫画などにある『主人公補正』があることに……。

それから、アイリスには、この世界のことを教えてもらった。要約すると、この世界は、『シャデルド』と言い、人以外にも様々な種族がいる。そして、この世界の人々は、能力を10歳になったら教会で神に貰うことになっている。しかし、妖精という種族は、能力を持っていない。と言うことだ。

僕と恵は、それを聞いてポカーンとしていた。5秒固まったあと、

「すごい!本当にすごいよ?星宮!」

「能力かぁー。難しそうだけど楽しそうだね!」

と僕達が喜んでいたら、アイリスが、

「喜ぶのはいいのけど、周りを見てみてよ。」

もう時間が来たのか?と僕達は慌てて周見たが、色はまだ薄かった。しかし、時を止める前と、時を止めたあとを足して2で割ったような感じだった。

「何だ、まだ半分じゃん。どのくらい話していたの?」

気になって、僕は、アイリスに聞いた。

「止めようと思えば、無限に停めれるけど、今回は、3時間だけ止めているの。だから、1時間半ぐらい経ったかな。」

「えっ!アイリスは、すごいね!」

「アイリスちゃんすごいね!」

「まぁ、私は、この世界の創造神だからね。これぐらいは大した事ないのよ。それと、貴方たちの能力の説明だね。」

アイリスは、僕達の能力を説明した。

しばらくして、

「そう言えば、貴方たち?

元の世界が気になったりは、しないの??」

と聞いてきた。

「僕は、気にしないよ。」

「そうだね、私も。」

と答えたら、アイリスは、

「あっそうなの?貴方たちにに魔法を覚えさせたんだけど無駄だったようだね。確認の仕方は、心の中でウインドっと唱えるだけ。実際にやってみて。」

といった。そんな発言を聞いた僕は、

「ウインドって唱えればいいだよな。」

と確認を取り、

(ウインド!)

と心で唱えた。すると、

「おお!凄い!」

僕の前には、半透明な水色のウインドが現れた。


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名前:色司星菓(いろつかせいか) Lv:0

種族:ヒューマン

出身地:不明

年齢:16歳

職業:無し

武器:素手

防具(頭):無し

防具(手):無し

防具(上半身):学生服(上)

防具(下半身):学生服(下)

防具(足):スニーカー

アクセサリー:無し

能力:無限創作

面装着

スキル:[ ]

[ ]

[ ]

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「そうそう、そのウインドは、本人しか見えんからね。それと、そのウインドの魔法っていう欄を見てみて。」

とアイリスが言った。


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魔法:ファカーラ


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僕は、

「この、『ファカーラ』って言うのが、転移魔法?」

と聞くと、アイリスは、

「それそれ、まぁ覚えさせた意味ないけど、そうだ!ここから20歩先まで転移してみてよ。練習のために」

「分かった。星宮もやろうよ。」

「分かった、じゃあアイリスちゃん、ちょっとやってみるね。」

そして、

「「ファカーラ」」

すると、僕達は、光に飲まれて……

「星菓!星菓凄いよ!?」

「なっなんだよ。星宮?」

僕は、目を開けた。

そして僕は、驚愕して言葉を失った。

何故なら、僕は闘牛(?)の上にいたからだ!

「もう1回唱えてみようよ。星菓」

そう星宮の言ったのを聞いて、僕は我に返った。そして、

「あっああ、そうだね。」

「「ファカーラ」」

僕達が元の場所に戻ってきた時、アイリスは含み笑いをしながら聞いてきた。

「どうだった?初めての魔法は?」

「すごく、楽しかったよ。まぁびっくりしたけど」

「私も楽しかったよ!」

「そう、ならよかった!そうそう、魔法は、あまり多用しない方がいいかもよ。魔力は、馬鹿みたいに多いけど、まだ魔力に慣れていないからね。」

「「分かったよ」」

「わーお、息ぴったり!もうそろそろ時間だね。最後に貴方たちを、王都まで転移してあげる。転移したと同時に、時間も来るよ。」

そう、アイリスが言った時、僕達の周りの色は、ほとんど元の色と同じになっていた。

「何から何までありがとね、アイリス。」

「そうだね、アイリスちゃんまたね。」

と、僕達が言うと、アイリスは、微笑んで

「またね貴方たち、この世界を楽しんで!それじゃあ行くよ……

転移の門よ、我が望む者達を我が望む場所に転移させたまえ!……アルクラーズ」



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作者の一言

この度は投稿が送れまして誠に失礼しました。そして、待っていた皆さん、本当にありがとうございます。(いるかどうかは、わからんけど)

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