僕と君の49日

真城夢歌

ー ワタシ ー

 私は、空に向かって思いっきり手を伸ばした。

 授業が終わり、これから学校から徒歩五分の所にある駅前のスタバで彼氏と会う約束をしていた。

 容姿端麗成績優秀スポーツ万能、性格がとっても良くて優しくて、人望も厚いみんなの王子様のような人だった。まあ今では私の王子様だけどね。彼と会うのが楽しみすぎて、きょうは髪型に、より一層気合を入れた。


 澄み切った青い空、涼しくなり、ちょうどいい温度となった今日はとてもデート日和だった。

 ちょうど目と鼻の先にスタバが見えた。

 手前の交差点に引っ掛かり、カバンの中からスマホを取り出してインスタのチェックをした。友達のインスタを見るのが最近の楽しみだった。


 優しい彼氏、いい友達、好きなものに囲まれて幸せな日々を送っていた。


ーずっとこのまま幸せでいられますようにー


なんて心の中で思いながら思わず顔が緩んでしまう。


 そんな幸せもこの一瞬で終わるとも知らずに。

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