強制的に転生させられたので死なない程度に強くなることにした~レアスキルでいつの間にか最強に~

吉田和也

第1話強制転生



「あぁ、賢者、死んでしまうとは、情けない。」


と、目の前の少女は呟いた。

って、ゑ?


賢者?なんで目の前に少女?ていうか俺死んだの?

混乱しすぎて変な声出てもうたやん。


「まあ、混乱するのも仕方ないですね。賢者っていうのは、あなた、40にもなって未だに童貞でしょ。(笑)そういう人のことを賢者っていうんですよ。(笑)そして私は女神、あなたは死んだので、今から転生してもらいます。」


そう言って、少女はくすっと笑った。


そこで俺は思い出した。

確かに俺は、トラックに轢かれて死んだ。

でもなぁ、賢者は失礼じゃないか?

初対面のやつに対して童貞ってはっきり言いやがって、本当に女神なのか?しかも言い方が地味にうざいし。

だって、女神っていうのはなぁ、なんていうか、もっとこう優しいっていうか、穏やかっていうか、とにかくそんなもんだぞ。なのにこんなんが女神なんて、残念だ。


「残念だなんて、失礼ですね。こんな女神もいるんです。それに、あなたが童貞なのは事実でしょ。事実を言って何が悪いんでしょうか?」


あ、こいつ、開き直りやがった。

さっきからずっとだけど、勝手に心を読んでくるし、本当にこんなんが女神でいいんかね?


「あら、私があなたの心を読んでいることに気づいていたんですね。普通なら、あれ、俺、声に出していたっけ?ってなるところなんですが。」


いや、女神だからそんぐらいできるだろ?こちとらラノベはよく読んでいたんでね。あんたが、女神だとか言っていた時に気づいていたさ。それにあんたが一人でずっとしゃべっているのを三人称視点でみていて、楽しんでいたのさ。だから、俺は一回も声を出してなかったし、これからも出すつもりはない。


「あなた、かなり性格がわるいですね。」


よく言われるよ。ありがとう。


「いや、褒めたわけでもないんですが...

 まあ、無駄話はこれぐらいにして、そろそろ転生について説明しようと思います。」


そういや、そんな話もあったな。忘れてた。


「いや、忘れないでくださいよ。そのためにあなたはここにいるのですから。」


そういえば、死んだ奴はみんなここで転生するのか?


「いえ、普通の人は死んだら私たち女神がテキトーに元の世界に転生させるのですが、今回は、初めて前世の記憶をもたせたまま、別の世界に転生させるわけです。」


へぇ、で別の世界ってどんな所なんだ?


「もちろん、剣と魔法の異世界アストラリスです。」


却下で。


「え?なんで?剣と魔法ですよ?異世界ですよ?ラノベ読んでんでしょ?憧れてたんじゃないの?」


別に憧れてないし、だって、あれって、見るだけだから面白いんでしょ。いざ、自分がやるってなったらめんどくさいし、死ぬかもなんてめっちゃくちゃ嫌。


「あなたってなんか冷めていますね。」


冷めているんじゃなくて冷静なんだよ。それに、誰だって出来るだけ死にたきゃないでしょ。


「でも、もう決まっちゃてるんですよね。残念でした。あなたに拒否権はないんですよ。(笑)」


いや、拒否権ないってどういうことだよ。俺に人権は無いのか?


「あるわけないじゃないですか。(笑)だってあなた死んでるんですよwwじゃあ強制的に転生しちゃうんであっちで頑張ってくださいねぇ~。」


おい、ちょっと待て。


「待ちませ~ん。ちなみにステータスと唱えたらステータスが表示されますので向こうで意識が戻ったら確認することをお勧めします。それにレアスキルを一つお渡ししましたのでうまく使って下さいね。最後に、死にたくないなら幼いうちに魔力と筋力を同時に鍛えることをおすすめします。それでは、良き異世界ライフを。」


その言葉とともに俺の意識は闇に沈んだ。

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