298.湯之沢城防衛戦5
ミスティア隊迫撃砲陣地
裏門を守る海軍特殊部隊チーム4の火力支援要請を受け、砲身が過熱するまで弾を撃ち続けていた。
「撃ち方止め!撃ち方止め!」
ミセア大佐は用意していた弾の三分の一ほど使い切ったところで一旦射撃を止めさせる。
「チーム4から連絡はきた?」
「いえ、まだです」
「ん?おかしいわね一度チーム4に連絡をして」
「はい」
ミセア大佐は通信兵に野戦電話で海軍特殊部隊チーム4を呼び出すように命令した。
「大佐、繋がりません、試しに無線でコンタクトを取ろうとしましたが通じません」
「電話が不通……、どこかで電話線が切られてる可能性があるわ!砲撃中止!すぐに近接戦闘用意!」
電話が不通になるということは野戦電話の場合どこかで物理的に切断しなければ切れることはまずないので、恐らく電話線を敵の手によって切られた可能性が考えられた。
電話線が敷かれているのは城の敷地内なので、となると敵は既にすぐ近くまで迫ってきているということになる。
(不味いこのままでは……すぐに反撃しなければ)
瞬時に危険を悟ったミセア大佐はすぐに陣地にいた全兵士に迎撃態勢を取らせていた。
ダダダダッ!
「敵襲!!」
ミセア大佐がその命令を発してすぐ、警戒していた兵が近づいてきた敵兵に対して発砲していた。
その発砲した兵に同調して他の兵も次々に敵に向かって発砲し始める。
こちらに見つかった帝国兵たちは王国側の銃撃で多数の死傷者を出しながらも持っていた火縄銃らしきものを一斉に発射する。
バンッババババン!
「キャッ!」
帝国兵が一斉に放った弾はほとんどが壁や屋根にあたるだけだったが、運悪くそのうちの一発がM249paraを撃っていたミスティア隊隊員の肩に直撃し、その衝撃を受け止めきれなかった隊員はそのままのけぞる。
「大丈夫!?え、衛生兵!衛生兵!」
隣でSIG516を射撃していた隊員は撃たれた隊員を見てすぐに射撃をやめ、のけぞる隊員を受け止めながら衛生兵を呼ぶ。
撃たれた隊員は右肩に命中しその銃創からとめどなく血が流れだしていた。
その呼び声に答えた衛生兵と付き添いの隊員が担架を持って駆け寄ってくる。
「私に任せて、あなたは射撃を!」
「わかった、助かる」
駆け寄って来た衛生兵はすぐに止血と鎮痛剤のモルヒネを打ち手早く応急処置を施し、一緒に来ていた隊員と共に担架に負傷した隊員をのせすぐに安全な場所で待機している軍医の元へと運んだ。
それをみて安心した隊員はすぐにM249paraの射撃を再開する。
「弾幕張ってここに近寄らせないで!」
ダダダダダダダッ!ダダダ!
ミスティア隊の兵士たちはこちらに一歩も近づかせまいと持っていたSIG516や機関銃班が装備しているM249paraによって濃密な弾幕を張っていた。
そんな激しい銃撃の中敵はそれを恐れずこちらに向かって突進してきていた。
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