166.陸海空軍合同ミーティング2
まず、この後予定されているタイムスケジュールを簡単に説明すると以下の通り。
1.海軍航空隊第一一戦闘攻撃飛行隊(F-14 30機)と第一二戦闘攻撃飛行隊(F/A-18 30機)が到着し補給と小休憩(機銃弾以外を装備してこなかったのでここで装着する)
2.陸海空合同ミーティング
3.海空合同ブリーフィング
4.第一航空団と第二航空団はスクランブル発進訓練を終えた後、
そのまま基地上空でデモ飛行
5.海軍航空隊は補給が終わり次第、全機離陸
6.上空に全機が集合した後、
海軍航空隊と第一~三航空団(F-22 F-15SE F-2 計72機)と模擬戦を開始
7.終了後両部隊合同で打ち上げ
今回の模擬戦の大きな目標は主に空・海軍の航空戦力の技能向上と各軍幹部やほかの省庁幹部に対して戦闘機とは何たるかを知ってもらう為である、この世界の今の状況からは戦闘機同士の戦闘は起こりえないのでいい刺激になるだろう。
ただもう一つ、この演習には裏目標がある、先ほどは戦闘機同士の戦闘は皆無といったが、レナやイスフェシアにいる勇者?のように、元の世界からどこかしらの軍隊ごとこちらに飛ばされてくる可能性を完全に否定できないと思ったので、万が一の備えとして今回の裏目標を設定した。
そして、スケジュールについて話が終わると、今度はKCIA(王国中央情報局)の現地情報調達部エントナ・クラウズ部長から帝国内部情報を話始めた。
このKCIAは名前からも予想がつくだろうが、そのまんまアメリカの中央情報局と同じような組織を作ろうとしたもので、この機関の役割は主に国外情報の収集任務と必要に応じて工作活動を行うことだ。
今回KCIAは帝国南部地域にコンダート国内の冒険者の案内をもとに潜入し、現地住民などになりすまし多方面から情報収集に当たっていた。
初の局を挙げての大きな任務ということもあってか病的とも思えるほど慎重に且つ的確にことを進めていった。
その結果今回重大な情報を入手していた。
情報によると、カルロゼから北に200㎞離れた帝国領土内のレヴァイス空軍基地があり、その基地には続々と竜騎兵が集結中しており、さらに陸路で物資が運ばれ基地の一角に大量に集積されているという。
ただ、この基地に情報員が直接調査する前日には第一陣が南に向けて出発していったようなので、今基地に集まっているのは恐らく第二陣かと思われる、そして第二陣ももう間もなくこの基地から出発するような動きを見せている。
さらに、レヴァイスから南東に位置するシャルレッテンの町には帝国陸軍の部隊約5万が集結中で、そのさらに東に位置するノヴァインシェンの町には帝国海軍艦艇が集結中のようだ。
どうやら敵は、ウルス城とベルン港で発生したモンスター大量と流行り病による戦病死者が多数出たので、その補給とこれから王国が本格的に攻め込んでくることを予期しての増強を行いたいのだろう。
もう一つ重要な情報として報告されたのは、カルロゼから10㎞の位置にあるヤーニヒベルグに敵の兵士約2万集結中のようで、この兵すべてカルロゼ攻略に向けて集結しているようだ、そしてその兵の中に上級魔術師なるものもが数名含まれている。
しかし、ヤーニヒベルグとカルロゼの間にはメリアル山脈(東)がありこの町の丁度間にはアザゼン山(9750m)がそびえたっているので、攻めるにはこの山を登っていかなければならない、そこを強引に突破したい帝国軍はどうやらヤーニヒベルグ側から今回集結してきている上級魔術師に“トンネル”を掘らせる作戦(最短距離で掘った場合でも2㎞弱)を考案し、何でもその上級魔術師は地を操る魔法を得意とするらしいのでそれでこの作戦を実行させるようだ。
この状況を知った俺は直ちにこの二つの事案に対処するための案を出した。
まず、レヴァイス空軍基地については戦略上大きな脅威になると判断したのでここを、帝国首都に今夜空爆予定だった第一爆撃航空団(B-2爆撃機)をレヴァイス空軍基地強襲作戦に急遽変更し向かわせることにした。
この爆撃によって基地を再起不能迄追い込めばしばらくはこの周辺空域が落ち着くかもしれない。
そしてカルロゼについては、現在いる防衛隊2千(近代化装備未装備)だけでは10倍の敵兵力に対して防衛困難なのでどこかから兵を急派しなければならなくなったが、現在この敵兵力に対して有効に攻撃を行え且つ近代化装備を持った部隊がウルス城に集中してしまっているので、いったんカルロゼから西の位置にあるテトラント城の防衛隊5千を向かわせ一旦彼らだけで時間稼ぎをしてもらい、ウルス城の作戦が一段落したのちにそのままメランオピス隊や第一機甲師団を向かわせる予定だ(ただしウルス城奪還作戦の状況により変更の可能性)。
それでも間に合わない場合は空軍部隊の対地ミサイル等で近接航空支援を行うか、最悪王宮にいるミスティア第三大隊を急派させるつもりだ。
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