84.帰還


 意識が戻り気づいたら俺はベットに寝かされていた。


 (この感じ、2度目だな)

 「気が付いた?」


 俺の腕に抱きつくように一糸纏わぬ姿のメリアがいた、腕にはダイレクトに柔らかい感触が伝わってくる。


 「な!近っ!しかも何も着ていなし!」

 「いいじゃない……もしかして約束もう忘れたの?」

 「そんなことないけど……それよりあの子達は?」

 「アリサとエリカのこと?あの二人はついた瞬間疲れて寝てしまったわ、それよりお腹がすいているでしょう?そろそろ朝食の時間だと思うから、食堂に行きましょう?」

 「そうだな……」

 「どうしたの?そんなに私のことを見て?今すぐにでも欲しくなっちゃった?」

 「い、いや綺麗だなって思って」

 メリアの姿を見て思わず見とれてしまっていた、しかし、メリアはどこか残念そうな顔をしていた。

 「ありがとう素直に嬉しいわ、取り敢えず着替えていきましょう」


 昨日つけていた装備類はベットの近くの机の上に整えられていた。

 今まで戦闘が立て続いていたので戦闘服で過ごしたままだった、このまま食堂に向かってもいいがさすがに浮くので、何か他のものに着替えようと思った、しかし最初に王宮に来た時に着ていたような軍隊の礼服だと重すぎるし……。


 「ねぇメリア、このままの服装だとなんか変だから何か着るものはない?」

 「そうねぇ……そういえば何も考えてなかったわ、ごめんなさい、もう少しでメイドたちも来ると思うからその時に何か用意してもらいましょうか」


 話をすればなんとやら、会話が終わったときにはドアのノック音が聞こえてきた。


 「入っていいわよ」

 「失礼いたします、朝のご挨拶に参りました、それと……」

 「わかっているわエミリア、この間のことでしょう?もうそれは仕方ないことだから、特にあなたたちを責めるつもりはないし、そもそもこの事件を未然に防げなかったのが悪いんだから、それにこうやってみんな無事でいたんだから」

 「ただ、今後の王宮内と後宮内の警備強化と戦力強化は必至だな」

 「残念ながら我々は今回女王陛下、王女殿下をお守りすることはおろか敵による魔法攻撃なども受けてしまい文字通り“壊滅”してしまいました、我々一同今回のことを踏まえ今まで以上の努力を惜しみません、ですので陛下、恐れ多いことではありますがどうか我々にもあの“銃”とやらを使った戦い方をご指導願いませんでしょうか?」

 「いわれなくとも、ちょうど考えていたことだからすぐにでもやろうか、それと魔法・薬物に対する訓練もしておかないと」

 「「よろしくお願いします!」」


 このエミリアの率いる美女・美少女ぞろいの武装メイド隊だが、部隊創設はそもそもメリアが女王に即位した直後で隊員も創設当初から4人のままで今回以外の事案に対応したことがなく業務のほとんどが通常のメイドたちの仕事と遜色がないものだった。


 しかし、そうなっていたのは本来この王城の防衛のほとんどを近衛師団が務めていたため、通常であれば近衛衛視隊の来援が来るまでの時間稼ぎとしか考えられていなかったので実際は“気休め程度”であった、そのため今までナイフやこん棒などでの近接戦闘しか訓練されておらず、敵の魔法攻撃に耐えられなかった、さらに今回のような場合は内部の人間の裏切りもあったが武装メイド隊どころか近衛師団ですら感知していなかった。


 その対策のために俺が考えているのは、まず近衛師団とは別の王宮警備部門を新設しその下に武装メイド隊や専門の情報隊を配し、これとは別に給仕や調理担当部門、雑用のメイドの部門を新設して王城内の近衛師団が機能しない状態に陥りなおかつ他の部隊の来援も期待できないときであっても防衛戦が可能なようにしていきたいと思っている。


 銃器は“メランオピス”隊も使用するMP7とP99c(俺が使っていたP99のコンパクトヴァージョン)、HK416Cを配備するつもりだ(変更あり)、そうすれば“メランオピス”隊とも訓練も整備もともにできる。

 できれば今後は装備の統一化をしていきたい(俺的には多数の銃を持つことにロマンを感じる←これって俺だけ?)がそれはもっと先になりそうだ。

 

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