83.救出
「ァ゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ぁぁぁぁ、いデー、肩がぁぁ!」
「確保!!」
邪魔がいなくなったところですぐさま、男たちを取り押さえにかかる。
最後まで抵抗してきた者も数人いたが、容赦なく射殺されていった。
さっき撃った男はまだ叫びながら痛みを訴えていたので、レナの持っていたSIG516の銃床で首を叩き気絶させた。
「“アエトス”より各隊へ、メリア陛下確保!繰り返す、メリア陛下確保!!同時に首謀者も確保!」
メリア、エリサ、アリサは隊員たちによって縄を解かれお互いに抱き着きあいながら涙を流し、みんなが無事だったことを喜び合っていた。
「メリア、それからエリサ、アリサお待たせ、怖かっただろ?城に帰ろう」
「ありがとうワタ!きっと助けてきてくれるってずっと信じていたわ」
「私達もきっと来るって思ってた、ね?アリサ?」
「うん!」
「3人とも無事でよかった、さあ帰ろう?みんなしn――」
ゴンッ!
俺は後頭部を何かで叩かれエリカに覆いかぶさるように倒れそのまま意識を失ってしまった。
「ワタァァァァ!」
「ッ!陛下!貴様よくもやりやがったな!」
「ハハッ!俺を舐めてもらっては困るなぁ、これでも帝国最強部隊のひとつの部隊長様だからなぁ、まぁ確かに痛かったけどこんなもの俺様にかかれば一瞬よ」
男は先ほどの撃たれた両肩の傷を自分で治癒魔法によって治し、こっそりと立ち上がり、近くにあった薪でワタの頭を殴った、その薪は少し血がついていた。
パン!パン!パン!
メリアはワタの腰からP99を抜き放ち発砲する。
「この!この!この!」
パンッ!
怒りに任せて撃ち続け、ついには弾が切れP99はホールドオープン(スライドが後端まで動き薬室も解放されそのまま止まった状態)してしまう。
「あ~痛いねぇ、何するのぉ、しかし何度もやられればなれるものだねぇ」
しかし、男はすぐさま治癒魔法を使いすぐに自分の傷を塞いでしまう。
(どうすれば……このままでは形勢が逆転してしまう……そうだ!)
メリアは何かを思い出したのか、メリアの座り込んでいる場所の下から赤紫色の光を発し始めた。
「これでも食らいなさい!」
メリアが何かを放った後、男は全身を赤紫色に光る鎖のようなものにがんじがらめにされそのままよろけ壁に激突する。
「チッ拘束魔法か、だが甘いわ!フンッ!」
しかし、男はすぐさまその拘束されていた鎖のようなものを打ち破る。
「ッ!?どうして?」
「だから、さっきから言っているでしょう、さぁ、そろそろ観念してもらいますか?」
「クソッ!こんなところでワタ陛下も倒れてしまうなんて」
「ごめんね、せっかく助けてきてもらったのに」
「お姉さま、どうなるの?」
「さあ、計画は大きく狂ってしまいましたが、こうなれば仕方ありませんねぇ、私一人でやらせてもらいましょうか?おとなしく降参しろ!その物騒なものもおろそうか?さもなくば今度はこいつの命はない」
男はワタを後ろから首をつかみ、もう片方の手に持っていたナイフを喉元に突きつける。
ダン!ダン!
「女王陛下をお迎えに来たと思ったらこのざまか?リザ、やれ」
そこにはHK416を持ったセレアが立っていた、そしてリザと呼ばれた栗色の毛の美少女が男背後に瞬間的に移動し、すぐにその美少女から黒い光が発現したかと思うと、男は全身から急に力が抜け膝から崩れ落ちていった。
「セレアも来てくれたのね?」
「メリア陛下、遅くなってしまい申し訳ありません。後方で待機なんてしたがためにこんなことに(なんかワタも倒されてるし)」
セレアは救出完了の知らせと同時にこちらに向かってきていた。しかし、万が一のことを考え対魔導士戦に特化したリザと呼ばれている部下を引き連れていた。
予定の時間になっても集合場所にワタ達が現れなかったので、不審に思い家の方向に向かうと発砲音がまだしているので、何かが起きていると思いすぐさまこの家に入っていった。
「ここでやられてしまうとは……本末転倒だな、レナといったか何故守ってやらなかった?」
「リメリア閣下申し訳ありません、しかし男の情報が不足していたので……」
「その情報を集めるのが貴様らの仕事であろう?何のための情報部隊だと思っている」
「セレアそれまでにしなさい、そんなことより今はワタを助けてあげて」
「ハッ!失礼いたしました今すぐに――」
「“アエトス”より“C”、“S”はLZに急行し部隊を回収せよ、“SS”は山小屋に急行されたし」
「“C”リーダー了解」
「“S”リーダー了解、すぐにでも」
「“SS”了解」
セレアが言い終わる前にレナは上空に待機していた“C”、“S”、“SS”の各隊を呼び戻す。
少しも経たないうちにヘリの特徴的な音が聞こえてくる。
「さあ、皆さま迎えが来ました。帰りましょう?積もる話はそのあとでも」
「わかった、我々は馬を待たせてあるからそれで帰投する。女王陛下また後程」
一時はどうなると思ったが何とか一件落着といったところであろうか
結局俺は意識が戻らないまま王城へと帰って行った。
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