手を繋いで

作者 かさごさか

6

2人が評価しました

★で称える

レビューを書く

★★★ Excellent!!!

読んでいて、地の文と会話文のバランスが良く、テンポがいいので、とても読みやすいと感じました。文章量として、めちゃくちゃ多いとは言えない中で、シェアハウスの人々の生き様や生活がありありと浮かんでくるような気がしました。

内容はファンタジー的な要素も含んでいますが、生活的な部分の描写が丹念に描かれていて、素晴らしい。特に最後の親子のやり取りが秀逸です。

いろいろと勉強させていただきました。そして、最後までお読みいただき、ありがとうございます。

★★★ Excellent!!!

正直、あまり面白そうな話ではない。だが、私の好みの文体なので高評価にしておいた。今どきの若い人には固めの文体で、使用している語彙も馴染みがないものは多いかも知れないが、読者が知っている単語を作者がわざわざ調べて使う謂れはない。表現したいモノは、自分の好きな言葉を使って示せばいい。この辺りの匙加減が出来ない作家が最近本当に多くて困る。
ストーリーの流れは遅くもなく早くもない。私はまだ第5話までしか読んでいないが、作者の筆さばきは見事というほかはない。口語文は引き締まっている。ラノベに見られるような‘’チャラい‘’コトバは一切出てこない。やたらと句読点を配した文章は読むものを疲弊させるが、この作品には句読点が驚くほど少ない。私もモノを書いている身なので、この辺りの技術を見習いたいものである。文章というのは句読点の位置ひとつで別物になる。多すぎてはいけないし、少なくてもダメなのだ。この作品には句読点が少ないと指摘したが、そんな欠点を補って余りある魅力がこの作品にはある。
日常パートの描写が細かいのだ。これはイギリス文学の本流にのっとっていると思う。日常の中に変化を求め、そこから物語を紡いでいく。日常の生活にハリがなければ人生に何の意味はない。安易に非日常に逃避する現代人を痛烈に批判している、とも取れる。扱っているジャンルこそ非日常だが、この作品の筆者の筆が冴え渡るのは純文学のほうではないだろうか。私はそう感じている。
長くなってしまったが、この作品には緻密に書き込まれた日常が溢れている。この先の展開がどうなるにせよ、これだけは変わらずに楽しめる作品であって欲しい。私の感想は以上である。