アフターテイルズEP1:墜落シンデレラ
羽野ゆず
墜落シンデレラ
プレイバック№1
あ、これ、見たことある。
ロビーの天井には
赤絨毯が敷きつめられた中央階段。手すりの素材は白大理石で、細部に彫刻が施されている。
童話『シンデレラ』の1ページを切り取ったかのような光景だった。
ほら。今にも午前0時を知らせる鐘が鳴って、シンデレラが駆け下りて……
「なんてことだ」
こなかった。
彼の反応も無理ない。
階段の中ほどに横たわっている華奢なシルエットは、ガラスの靴の片方だった。数段降りたところに、もう片方。
さらに視線を下げると、靴の主が私の足元に倒れている。
雪の妖精を想わせる、はかなげな淡いブルーのドレス。
うつ伏せに倒れている彼女の横顔は、膝をついてしゃがめば、拝むことができる。
まだ
“シンデレラ”は墜落していた。
「どうしたら……」
王子様コスプレをした
どうしたら、っていわれましても。
『私』こと、パジャマ姿の
++++++
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます