第2話童貞ですけどなにか?
迎えたくもない朝がきた。今日から学校だ。ちなみに春休み明けのいわゆる入学式だ。入学式ってなんでやるんだろ?大学生に入学式っている?何回入学式経験させるの?経験値がカンストしてしまうまである。まあ行きたくない理由をこじつけてサボろうと思ってるだけなのだが。母親がうるさく言ってきたので仕方なく朝ごはんを食べ、仕方なく歯を磨き、仕方なく着替え、仕方なく家を出た。大学生の実家暮らしって全然大学生になった感じがしない。そのせいかいつものだるさが滲み出てるような気がした。まあ俺のことなんて誰も気にしないし、誰も見ないと思いつつ学校に向かった。学校につくといかにも新入生みたいな連中がグループをなしていた。当然俺はボッチなのだが、そこのところは当然なのであまり触れないでおこう。ボッチを極めしボッチすぎて、ボッチじゃないのが不自然なまである。まあそんな俺に話しかけてくるのは、勇者様ぐらいだろうと思っていた。しかし勇者様は実在した。なんと俺に話しかけてきたやつがいたのだ。唐突に話しかけてきたので一瞬自分の耳を疑ったが、確かにこう言ってきた。あなた童貞?その言葉の主を見るとなんと女だった。俺の中で絶滅していた女が、こんなことを聞いてくるとは予想にもしていなかった。色々と疑問が湧き出たが、とりあえずテキトーにあぁと返事をした。そうすると、その女は俺を見ながら笑ってきたのだ。情けない話俺はその時怒りなどではなく、彼女の笑顔に魅せられていた。今思うとこの時すでに、俺は彼女に恋をしていたのだと思う。
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