葛藤
黒豆
第1話
進む道が1つしかない場合、人はその道を進むしかない。例えその道が間違った道だろうと、進まなければ生きられない。自分でもわかっているのだ。間違った道だと、けれどそれを正しい道だと認識しなければ生きられない。正確には間違った道でしか生きられないのだ。この苦しみのなにがわかる?たぶん受け入れることができないなんてことじゃない。もっと深くて奥まで染み込んだもので、中々落ちない汚れみたいなものだ。中々表現しにくいもので、その全てを表すのは容易ではない。けれども表現でしか伝えられないこの痛みは、一生僕に付きまとうことだろう。ああ一体いつからだろうか?いや元々なのか?僕はいつもこの世界にはいなかったのだ。自分の中に世界を構築してしまったからだ。だがこれは意図的ではない。本能的にいわゆる防衛本能みたいなものだ。僕は僕を守るため、世界と切り離し僕だけの世界に浸ったのだ。結果として僕を苦しめる楔となった。元からだったのだ。もっと根本的になにもかも全て違ったのだ。違うことを容認すればなにもかも許せる。何かを求めようとせずに済むからだ。ああ、ありがとうこれで僕は僕として生きていけるのだから。
葛藤 黒豆 @96001202
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