人間の肥やし
人が死んでしまうのは、
肥やしの不足が原因だろう
爪や皮膚の裏側にまでびっちりと、
養分が行き届いてさえいれば、人は死なない。
気づけば私は、みんなの肥やしとなっていた
はじめに、私の自由が肥やしとなった。
罵声を餌として生きる人間の糧となり、
殴打の快楽を餌とする人間の糧となり、
嘲笑を慰めとする人間の養分となった。
人間の肥やしとして、
私は必要とされていた。
人間の肥やしとして、
私が生を営む為にも
私は肥やしを欲した。
私の肥やしもまた、
いつか肥やしを欲して、私の元を去った。
彼が彼の生を全うする為にも、
必要があったのだ。
循環している
私たちはいつか、疲弊して
言葉を捨てる。
もう誰にも、会いたくないと。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます