第一部のあらすじ

 突然起きたある事件でエルメルシア王国は滅亡した。そこから助け出されたジェームズ・ダベンポートは、その恩人である世界最高峰の錬金術師ニコラス・オクタエダルのもと、アルカディア学園で錬金術師となる。そしてジェームズは成人し、ファル王国で、錬金術を生かした雑貨店を営む。

 そんなある日、オクタエダルから手紙を受け取る。その内容は、アルカディア学園在学中に発見した『魔法残滓に残る真名の解析方法』が認めらたので、半年後の授賞式に出席せよとの要請であった。この発見とは魔法を使った後の残滓に術者固有の真名が、模様として残るというものであった。


 ジェームズ、アーノルド、シェリーの一行は、アルカディアを目指して、各国を巡りながら、錬金術の材料を採取する旅に出発する。

 旅の途中、ミソルバ国で魔物による動乱を解決するうちに、旧エルメルシア王国で起きた事件とよく似ていることに気づく。さらに十三年前の事件の時と同じ真名模様を発見し犯人の存命を確信する。


 遡ること十三年前、ローデシア帝国皇帝は、ロッパ大陸を統一する野望を抱き、ヌマガーに命じて小国併呑の工作を開始した。その工作の最初の犠牲となったのが、エルメルシア王国であった。そしてミソルバ王国も、その工作による魔物の襲撃を受けていたのである。ジェームズは、ミソルバ王に助力し、ヌマガーの野望を阻止したが、こののち、ヌマガーはジェームズに脅威を覚え、暗殺を影の頭領に命じることになる。


 ジェームズ一行は、ロッソ村の魔物による惨劇に遭遇し、シェリー創造に想いを馳せ、影の頭領からの襲撃を撃退し、シェリーの武器の材料探しなどをしながら、旅を続けた。そして、ジェームズは再会したヒーナとの学園生活を思い出しながら、愛を深めていく。


 一方でエルメルシアの事件の時、弟のジェームズと離ればなれになったヘンリーは、エルメルシア復興を目指して活動していた。状況は好転せず、失意のうちに過ごしていたが、ある時、母の啓示を受け、父の形見の聖剣を手にする。ヘンリーはレオナと主従関係を結び、新しい同志を求めて魔物狩猟者となり依頼をこなしていくことになる。ソイ村近くに出没するトロール討伐の依頼で、大賢者ローレンス・マリオリに出会い、ついに軍師として迎えることに成功する。さらにヘンリーは、同じ討伐に参加したケイ・ユアンジアに心を惹かれる。

 マリオリと新しい同士を迎え、魔物の異常な襲撃の裏にローデシアが関与しているとの考えのもと、虐げられた市民を解放すべくレジスタンスを組織する。そして、マリオリの進言に従い、ヘンリーは王として立ち、アルカディアで弟ジェームズに再会することを決意する。


 この間、ローデシア帝は、ヌマガーにアルカディア侵略を指示。軍隊を増強して、魔法学授賞式の後に攻撃することを決定する。しかし、このローデシア帝の体は何者かに乗っ取られていた。疑問を持ちながらも、ヌマガーは最後の切り札を使うことを密かに画策していた。


 ヘンリーとジェームズはアルカディアで再会し、授賞の喜びに浸っていたが、そのような中、ヒーナが何者かに誘拐される。ジェームズは、愛するヒーナを取り戻すために罠と知りつつも、一人、その犯人が指定する場所に赴く。


 そしてジェームズが居ない間に、ローデシアはアルカディアに侵攻。オクタエダルは、来賓客、生徒、市民の安全を第一に考え、シン王国へ避難させることを決心し、その統率権をヘンリーに委ねる。そして、オクタエダルは、ローデシアによるアルカディア侵攻の意味を考えていくうちに、魔物からの侵略を阻んでいる基盤証文の破壊が真の目的ではないかとの仮説に至る。

 一方で犯人を下したジェームズは、ヘンリーの要請を受けて避難隊に合流し、避難民を守りながらシン王国へ逃れる。

 

 そんな中、ローデシア軍本隊が到着。アルカディア学園首都への本格的な攻撃が始まる。そして反撃に転じたオクタエダルに対して取ったヌマガーの切り札が、この世界を崩壊させることに発展。オクタエダルは、それを止めるべく、ある行動をする。


 この時、オクタエダルが放った呪いとは?

 また、ジェームズが、最後に最初の言葉を聞いた訳は?


 ジェームズとヒーナ、アーノルドとシェリー、ヘンリーとケイの想いを紡ぎながら、そして新しいキャストを迎えて、物語は第二部へ進んでいく。

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