vol.07 ~「Say goodbye to Hollywood」(1976) Billy Joel~

 国道345号線に別れを告げて、国道7号線に出る。とはいっても、“海岸通り”という意味ではそのロケーションは変わらない。

 ただ、違うのは、道幅が広くなることと、凍結防止なのか、それとも塩害防止なのかわからないけど、コンクリートみたいな色のアスファルトの道がしばらく続くことである。

 

 ここまで来ると、この土地に住んでいる人には申し訳ないけど、“新潟県”という感じがしない。方言も、漬物の味付けも、ラジオやテレビのチューニングも“山形県カラー”だろう、と思ってしまう。越県入学や越県勤務も当たり前のように行われているだろう。昔、学校で習ったEC(ヨーロッパ共同体)を思い出す。


 

「Say goodbye to Hollywood」by Billy Joel。

 うろ覚えだけど、初めて聴いたのは、NHK-FMの番組『クロスオーバーイレブン』だったと思う。この番組で、“この手の曲”は、最初の1~2曲目か、ラストの曲に流される。

 ライブバージョンでは、サビの部分の演奏や間奏で、少しわざとらしい感じでオーディエンスの歓声の音声レベルが上がる。

 好きなアーティストのレコードでさえ買うのに四苦八苦している中学生時代であるが故、“エアチェック命”の当時の僕にとっては、完璧に録音されているこのオーディエンスの歓声が邪魔だった。「こんなにいい曲なのに、このわざとらしい歓声はなんなん!」とよく思ったものだ。

 

 1977年に発表された「ストレンジャー」は、僕を洋楽に目覚めさせた1曲だったように思う。NHK-FMに飽き足らず、AMの深夜放送のカウントダウンもののラジオ番組で、あの“口笛”のメロディーに始まり、前奏が始まると、決まってDJが「今週の第一位も先週に引き続き、ビリージョエルの『ストレンジャー』です。リクエストは、東京都の…」てな具合の前説が語られた。

 その後も、「素顔のままで」「ビッグショット」「オネスティ」とお馴染みのビッグヒットが、まるでサザンやツイストのように(失礼!)続くけど、ラジオのカウントダウン番組の“第1位を紹介する前説に一番ふさわしい曲”は「マイライフ」だと思う(笑)


 「Say goodbye to Hollywood」には、エアチェック以外の思い出は見当たりません。でも、数あるビリーの名曲たちの中で、不意に聴きたくなってデッキに突っ込みたくなる曲がなぜかこの曲だということです。

 「オネスティ」では、身近なオーディエンスさえもドン引きさせてしまうけど、この曲だったら、カラオケで一緒にサビのところを歌ってくれるんじゃないか、と密かに期待しつつ車の中で練習に精を出す僕、なのであります(笑)




♪「Say goodbye to Hollywood」/ Billy Joel

https://www.youtube.com/watch?v=9591zjK_n08


現在地:新潟県村上市府屋付近 走行中

https://www.google.co.jp/maps/@38.5109541,139.5237364,15z?hl=ja&authuser=0

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