愛の吐瀉物

@taidakeni

第1話

重い光を受けて朝起きたら

両足がなくなっていて

両手で起きてベットから降りようとしたら

尻から地獄に堕ちました


そこは赤い人と白い人が笑顔で

愛しあっていて

白い人が赤い人をなめ回すものだから

口元が血の色で真っ赤に染まっていて

白い人はなぜ自分が白くいるのか

忘れていました。


わたしは堕ちたショックで飛び出た

内臓を口に押し込んで咀嚼して

両手で這いつくばりながら

その愛を止めようとしたんです。


いけないよ

そんなになめ回したら君は

白くはいられずあの空も緑の風景も

季節の変化も忘れて空っぽになった

血の巡らない黒い人になってしまうよ


そういわれても白い人は

笑顔で自分の耳をひきちぎり

ひたすら赤い人をなめ回しているんです


そんな彼らをみてみじめな

私はとても

お腹が空きはじめ

千切れた耳を泣きながら

食べて胸が気持ち悪くなり

内臓と一緒に吐き散らかしたのです

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