誰か私の失恋をモデルに小説を書いて下さい

高秀恵子

第1話 あの方にチョコをプレゼントしたら、翌日より不登校に・・・

皆さまは楽しいバレンタインデーを過ごされましたか?


私は今から40年近く前に、とても苦い失恋をしました。


まだ16歳からはたちまでの、乙女だった頃の思い出です。

私は同じ高校の同級生の男子に激しい恋情を抱きました。


あの方は図書委員長で文芸部員。

決してモテるタイプではありませんが、私が憧れて当然な方です。

高校2年生のバレンタインデーに思い切って手作りチョコを

プレゼントしました。


製菓用のチョコレートを買ってきて、鍋で湯煎する。

それからアルミニウム製のお弁当箱のふたに

溶かしたチョコレートを入れる。

冷えるとラッピングする。

—そうあの頃、昭和時代は、アルミ製のお弁当箱が主流でした。

銀紙ホイルでラッピング。

そのホイルの上には、色鉛筆の手書きのイラストとメッセージを

書いた紙を貼る。

メッセージは・・・I wish I were one of your good friennds on your life.

This is the chocolate which I made.


できるだけ重くならないよう、あの方の心の負担にならないよう

心がけました。


銀紙は家庭にあるようなアルミホイル。

それでもていねいに包装すると市販のチョコにも負けない感じになりました。

その頃はチョコを湯煎するのにテンパリングのような技術を知らなかったので

たぶん、食べにくいチョコに仕上がっていたと思います。


きれいな包装紙でさらにラッピングをして、リボンを工夫してつけて

・・・でもいかにもチョコのプレゼント風だと学校で目立っては

あの方に気の毒なので、同人誌など書類を入れるような茶封筒に

さらに入れて。


でもあの方は、翌日より学校を欠席しました。

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