リックについて(第19話まで読破推奨)


 村の子供の最後の一人、リックです。


 この子も、名前はフィーリングで付けたんですが……出してしまってから、「しまった」と思った子です。名前付けを完璧に失敗しました。

 もしかしたら、こっそり後から変えているかもしれません。

 理由については、その内明かされるのではないかと思います。かなりのネタバレになってしまうので。


 さて、リックさん。

 この子の役割は、最初から決まっていました。


 それはずばり、「歌を歌えない子供」です。


 第三話でリックは、ラインやミーナが歌う中、一人だけ歌わずにリズムを取っていました。これは、「声を出して歌えないから」です。

 彼が五歳というのは、もう第二話で情報として出していましたが。

 五歳くらいになると、毎日歌を聞いていれば、それこそ少しは覚えそうなものです。自分なりに歌ってもおかしくない年頃だと思います。

 それでも歌えずにリズムだけ取る、というのが、歌に関する伏線でした。


 ちなみに、村の中で歌を歌えたのは、カイリの他には両親とライン、ミーナだけです。

 他の村人達は歌えませんでした。

 教会に行くとその印象が薄れるかもしれませんが、この世界は歌えない人の方が圧倒的に多いのです。

 第十九話では、フランツは前世の記憶が無い者は歌えないと言っていましたが、まさしくリックを含む村人達はそれに当て嵌まる人達でした。


 ラインやミーナにはもちろん、カイリにも懐いていた男の子。

 Banka2を書く時は、かなり辛かったです。


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