第2話異空間
僕の上に重い衝撃が走った。何かがのっかったような落っこちてきたような…。
恐る恐る目を開けると、ぼくのうえにのっていたのは誰だか知らない少女のようだった。
僕は慌てて少女をどかし、ゆすって起こそうと試みるも、間抜けな顔で「へへへ~も、もう食べれないですぅ~…」というアニメとかでよくありがちな寝言を言った。まさかこんなところでこんな王道の寝言聞けるとは思ってなかったよ。
そうだ、ここはいったいどこなんだ。
あたりをぐるっと見回した。
変な異空間…壁には数えきれないほどの扉があった。
なんなんだ…ここは?まさか本当に異世界に来ちゃったとか?いやいやありえない。夢なんじゃないか?だとしたらもう少しここにいても…いや、でも遅刻したらやばいし。とりあえずここから出る方法を探したほうがいいかな。
横目でちらっと少女をみた。
僕がこんなに悩みに悩んでいるというのに…。そう思うと腹立たしくなった。
「おやおや、もう一人はまだ起きませんか。」
黒いローブ姿の男が現れた。推定七十歳前後というところだろうか…。
「おい、そなたも早くおきんか。」
と、持っていた杖でツンツンとするが一向に起きる気配はない。というより黒のローブに杖を持つ老人って…ゲームや小説でしか見たことない。夢でもこれはすごいことだと思った。目の前に魔術師がいると思うと、今の状況に不安を抱く気持ちより興奮する気持ちのほうが高くなる。
「スパーーーーーーーんっ」
という音が響いた。
どうやら魔術師(僕の脳内では確定事項)が少女をおもいっきりたたいたようだ。これにはさすがの少女も飛び起きた。
「いったあ~いっ、なにするのおじさん!」
「そなたが起きないのが悪いのじゃろ。」
魔術師が言うと不貞腐れたように「すんません。」といった。
魔術師は近くにある椅子に腰を掛け、腕を組んで「本題に入ろうか」といった。
少女は「そうそう私たちここによびだすなんてどうゆことー?言っとくけどお金なんてないからね!私これでも忙しいんだから。」
と次々言いたい放題言っていくと魔術師はきっとにらみつけた。
魔術師は咳ばらいをし、間をおいて「君たちに、私から君たちへのプレゼントだと思ってくれ。」と言って続けた。
「君たちに、私の国を助けてほしい…」
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