紅い爆音は二人を囲う

鼓膜の振動は臓物に響き

藍から浮かんだ潤んだ瞳は

沈んだ華奢な手を誘惑で飾る


絡めた指には大人の汗

夏の夜の涼しい熱に

風鈴は隙間からリンと鳴く

脆く儚い爆心の叫びは

血液を危険的に加速させ

大きな夜空にぐらつく残光

落ち逝く火玉の枝垂柳が

消える


帯びた憂いは凛然と

冷める貴女は窈窕と







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