お題「直感でこれだと感じるもの」

美術部所属O君

「初音◯クの39。初めてサムネを見た時、何かを感じた。聴いたら案の定、スゲーハマった。その日から◯クの曲を片っ端から聴き始めた」


新聞部からのインタビューを終えた音来に、マネージャーは尋ねた。

「◯クって元の声の人がいるんでしょ? その人にハマってるってことじゃないの?」

途端に音来の眉間のシワが増える。

「大城がアニメのキャラに向かって“運命感じた”って言ってただろ。それと同じだ」

「空想の人物にハマってるってこと? なんだか危ういわね」

「そう言うマネージャーは何にハマってるわけ?」

そうねぇ、とマネージャーは暫し思案した後、答えた。

「最近は料理かしら。レシピを見ながらだと時間がかかるから、直感で作ってるわ。今度差し入れに持って来るわね」

「……それは、食べさせられる俺達の命が危うい」

音来は以前飲んだマネージャー特製コーヒーの味を思い出し、青ざめた。


2018/12/10④

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る