左利き

血を吐くみたいにお互い様しよう

地を這うみたいに指切りしよう

これでほらお互い様々

私の右手の指と君の右手の指

どちらも共に瓶詰めに変わりない

ところで

随分と美人な郵便屋さんを雇ったようだね

私のところに配達に来てくれたよ

元気にしてると聞いて安心した

君が手紙を書けるようで安心したよ

私は最初から握手がしたかった

だから私の手は無傷だよ

君の指もそろそろ生えてきていると良いけど

もしかしたら一生そのままだろうか

私の目の前で君が指を切り落とした日を

私は忘れることができない

心配だよ

君のその綺麗な肌が傷物だなんて

そろそろ夕食にする頃なんだ

一緒にどうだろう

ここの所毎日同じ献立でね少々飽きてきてはいるんだけど

そう簡単に変えられるほど買い出しに行くこともないから

しばらくはこのまま毎食毎食針千本飲むことになるんだ

辛いのも酸っぱいのもやっと慣れてきた味だから私はそこまで嫌いじゃないよ

ねえ

握手をしよう

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