第6問
答えは『40メートル』だな。
俺は紙の解答欄に記載をして指示通り一枚千切って壁にある穴へと投函した。
それと同時に放送がいきなり流れた。
「それでは第6問を開始する」
今まで少しの合間があっただけに驚いたがこの緊張する時間が短くなるのだとすれば願ったり叶ったりだ。
と言うよりも、もしかしたら今までは俺以外の者が解答するのに時間が必要だったのかもしれない。
そうだとすれば少なくとも複数人が同じ様に問題に答えている証拠になる。
俺は今までの問題がどれ程正解しているか分からないが少しでも確率を更に上げる為に問題を注視した。
第6問
3人の人間A・B・Cが大きな池の前に集まって立っていた。
真っ直ぐに対岸に向かえば直線距離で300メートルの池で3人は移動を開始した。
AとBは時計回りに池の外周を進み、Cは反時計回りに池の外周を歩き出した。
Aは毎分100メートル、Bは毎分80メートル、Cは毎分70メートルで同時に歩き始め、止まらずに歩き続ける。
AとCが出会ってから2分後にBとCが出会った。
ではこの池の外周の距離は?
これは一見複雑な問題に見えるが実のところ引っ掛け問題だな。
俺はニヤリと口元を歪めて計算式を書いていく・・・
そう、この問題で一番注意して見なければならないのは2行目だ!
真っ直ぐに対岸に向かえば直線距離で300メートルの池
つまりこれは公式を覚えていれば問題ないのだ!
俺は簡単に式を書く・・・
直径×3.14=外周
これだ!
つまりこれを用いれば300×3.14・・・これが答えだ!
なるほど、出題までの時間を少なくしたのは考える猶予を与える為だと誤解させるのが狙いだと考えれば辻褄は合う。
複雑に考えさせるのがこの問題の罠なのだ!
俺は回答を記入した・・・
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