イケメン天才君のぼっち趣味。

ろあ

第1話 2人だけの秘密

俺の趣味は変わっている。

今まで誰にも言わず誰にもバレなかった俺の趣味。


俺は私立西北大学法学部に通う大西拓海。

男友達も女友達もそこそこいる。キャンパス内では"イケメンで天才"と憧れを抱く生徒も少なくない。

ただ問題点が1つあるそれは俺が『ド変態』ってことだ。

学校から帰りまずやる事それは『女性用下着』のコレクション鑑賞だ。

『今日も可愛いパンツを仕入れてきた』

嬉しそうにニヤつく変態。


ドンドンドンドン!!

『お兄ちゃーん?お風呂入………』

『あ………』

兄のコレクションの山を見て凍りついた妹。

妹に見られて恥ずかしさのあまり死にたいとすら思う拓海。


『お、お兄ちゃん?もしかして…これお兄ちゃんの?』

同様の中事実確認してくる18歳西北大学経済学部1年大西結花。拓海の妹だ。

『あ、い、いや、こ、これはだな…』

同様で言葉がうまく出てこない拓海。


バタン!

勢いよく扉を閉め走っていく結花。


『あぁー!くそ!なんで俺はまともな趣味じゃないんだよ!』

自分でもキモいって事はわかっている。

しかし女性用下着にルックスが興味をそそられ鑑賞するという欲求に耐えられずにいた。

言っておくがこれはご近所さんの洗濯物から取ってきたわけでもなければ妹の下着でもない。

通販サイトから新品で俺が買ったものだ。

ファッションモールで買うのは勇気がいるし怪しい目で見られるから避けたい。かと言って妹の下着をコレクションにするわけにもいかない。もっと言うと俺に彼女と呼べる人物はいない。

通販で買うしかねーじゃんかよ!って思い通販で買ったのだ。


この趣味を持ったのは大学1年生の夏だった。

最初は週刊マンガ雑誌の数ページに載るグラビアの写真で満足していた。

しかし気がついた頃には手元にこれ《女性用下着》を並べて鑑賞までしているではないか。

『はぁ…結花にバレてしまった事だしいい機会だ全て破棄して卒業しよう…』

そう決意しゴミ袋をリビングまで取りにいく事にした。

スタスタ歩きゴミ袋を入手し部屋に戻った。

『ゆ…結花!?』

目の前には俺の趣味女性用下着を身にまとい立っている結花がいた。

『あ…お兄ちゃん…勝手にごめんね?』

『い、いやそれはいいんだけど…なんで結花がこれ《下着》を着てるんだ…?』

『わ、わたし!お兄ちゃんの趣味を理解したくって……そ、それで…』

お兄ちゃん思いのいい子である。

こんな妹を持てた俺は初めて妹の前で目から輝く液体を流した。


『お兄ちゃん…?わ、わたし!お兄ちゃんのことならなんでも受け入れるからね?』

『結花…俺の趣味正直どう思う?』

『んー…変わってるとは思うけど兄ちゃん以外と男の子してるなぁ〜って感じかな…?』

作り笑いかのように小さくニコリと笑顔を作って見せた結花。

『え…?じゃあ今まで俺をどんな風に見てたんだよ』

『内緒だから言わないもーん!』

『なんだよそれ』

苦笑いしながら言わない理由を考えていたが理由はわからなかった。

『まぁでもこれ《女性下着》のお陰でお兄ちゃんと2人だけの秘密ができたから私なんか嬉しいかも!』

今度は満面な笑みで言って見せた。


2人だけの秘密…

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